セールスライターが犯す致命的失敗

From:昌子 幹

去年末、仕事場で使っていた
CDラジカセが壊れました。

iPhoneからBluetoothで繋いで
スピーカー代わりに使ってたんですが
急に電源が入らなくなったのです。

やむなくiPhoneのスピーカーで
しばらく聞いていたのですが、
やっぱりなんとなく物足りない。

ま、広い部屋でもないので、
小さめのスピーカーでも
探してみようと思い立ち
早速ネットをチェック。

ちなみに、僕が使っている
パソコンもタブレットもスマホも
すべてアップル製品。

なので、、、

「どうせだったら
スピーカーもアップルにするか。
でも、なんかデカいのしか
なかったような、、、」

そう思いながら
アップルのHPを覗いてみると
今まで見たことのない丸い物体が
僕の目に飛び込んできました。

なんだこれは??

ページをスクロールしていくと
どうも、去年出たばかりの新しい
スマートスピーカーらしい。

しかも、大きさは
直径10センチ程度の超小型。

さらには、価格も1万円程度と手頃。

何より、外観がとても美しい。

まさにその時僕が求めていた理想のスピーカーを
そのまま実現したような製品でした。

HomePod miniと言うのだそう。

「欲しい!」

もともと物欲はそんなにないのですが、
一度欲しくなったらいてもたっても
いられなくなるのが僕の性分です。

こういう場合の僕には
ネット通販で買うという選択肢はなく
すぐに買いに走りたくなります。

とはいえ、時は既に夜。
すぐに買いにはいけません。

明日の朝一で買いに走るべく
お店を探し始めました。

ポイントカードを持っているので
僕は電化製品を買う時は通常
○ックカメラに行くのですが、
ちょっと交通が不便。

何より、在庫がないという
リスクは避けたかったので
近くのアップルストアに行くことに決定。

翌朝、僕ははやる気持ちを
抑えながら電車に乗り込み
アップルストアに到着。

ところが、、、

あなたも知ってるかもですが、
アップルストアは今コロナの影響で
入場制限がかけられていて
店内に入るのに予約がいるんですね。

ネットで予約を入れておけば
よかったと後悔しつつ
その場で予約することに。

「今日は何をお探しですか?」
と聞かれたので
「HomePod miniです」と答えると
なんと入場は1時間半待ち。

まじか、、、

とはいえ、ここまできて
引き下がるわけにはいきません。

予約を入れてしばらく
意味もなく周辺をウロウロしてから
予約時間の5分前に再度店を訪れると、
お店の中に入れてくれました。

待合スペースのようなところに案内され
ソファに座っていると
爽やかな店員さんが僕に話しかけてきました。

再びHomePod miniを買いに来たことを伝えると
「そうなんですね!今、すごく人気なんですよ!!」
とのことで、しばし彼のプレゼンを聞くことに。

「なぜ、HomePod miniを?」
「普段はどんな曲を聴くんですか?」

「そんなことはいいから早く商品を!」
という言葉を飲み込みながら
フレンドリーに話しかけてくる彼の質問に
一つ一つ答えていました。

でも、ふと胸騒ぎがしたので聞いてみました。

「ところで、在庫はありますよね?」

すると、彼はiPhoneを操作しながら
悲しげにこう言いました。

「あぁ、残念ながら今ないですねー」



「はよ言わんかい!!」

思わず口に出して突っ込みそうになりました^^

だって、HomePod miniを買いに来たことは
予約するときに伝えてましたからね。。

在庫がないとわかってれば
予約などしなかったでしょう。

しかも、入荷は1ヶ月待ちとのこと。

一瞬で僕のテンションは地に落ちました。

するとそこへ、これまた
フレンドリーな店員さんが現れ
彼女が商品を案内してくれるとのこと。

もはや、どうでもよかったのですが
あまりにも丁寧に対応してくれるので
とりあえず商品は見ておこうと売り場へ。

すると、、、

大きさ、形、デザイン、
全てが僕の期待通りでした。

そして、何より僕を驚かせたのが
その迫力ある重低音。

音質にはさほどこだわりはなかったのですが、
この小さなボディでこの音質は
僕の期待をはるかに凌駕していました。

「可愛いのにすごいやつ」
というキャッチフレーズは
伊達ではありません。

「ほ、欲しい…」

僕の欲求はマックスにまで高まりました。
なのに、在庫がない。。

なんだ、この蛇の生殺し状態は?

放心状態のまま店を出た僕は
諦めきれず次のアクションを考えました。

「一応、○ックカメラに行ってみるか…」

本丸に在庫がないんだから
量販店にはもっとなさそうな気はしましたが、
「もしかしたら」という
一縷の望みに賭けてみることにしました。

そして、再び電車に乗り込み
少し離れた場所にある
○ックカメラに到着すると
パソコン売り場へダッシュ。

デモ品は展示されてる!
在庫は?

おぉ、在庫カードがある!!

いや、でもまだ安心はできない。
カードはあっても在庫はないなんて経験は
今までにもあったし。

HomePod miniには
白と黒の二色があるのですが、
なんとなく黒がいいかなと
黒のHomePod miniのカードを手に
僕はレジに向かいました。

震える手でカードを店員さんに渡すと
彼は店の奥に消えていきました。

そして、手ぶらで戻ってくると
事務的な口調でこう言いました。

「申し訳ありません。
在庫がありませんでした」

あぁ、やっぱりか。。

その場に崩れ落ちそうになるところを
寸前でなんとか持ちこたえ
ダメもとで聞いてみました。

「白ならありますか?」

もはや僕は
HomePod miniが手に入れば
色なんてどうでもよかったのです。

それに、仕事場の内装を考えると
白の方がよくマッチするような気がしました。

「少々お待ちください」
そう言い残して彼は再び店の奥へ。

そして、数分後。

小脇に四角い小さな箱を
抱えた彼が戻ってきました。

もしやそれは!!!

「ありましたが、
白でよろしいですか?」

相変わらずそっけない口調で
そう言う彼の顔が僕には神様に見え
その背後には後光すら刺していました。

その場で踊り出したくなる
気持ちを抑えながら
平静を装って僕は答えました。

「白が、、、大好きです(涙)」



さて、、、

僕は別に意味もなく
この話をしたわけではありません。

自分が何か商品を買った時のプロセスを
後で振り返ってみると
マーケティングやコピーライティング的に
学べることがたくさんあるんですよね。

今回の場合でいえば例えば
セールスはたった一つのパーツが
欠けているだけで
すべて台無しになると言うこと。

率直に言って、製品も
ホームページのメッセージも
店員さんの接客態度やセールストークも
本当に素晴らしいものでした。

実際、僕の欲求は短時間の間に
究極にまで高められました。

でも、たった一つ
商品だけがなかった。

商品がなければ買いようがありません。

実は、セールスコピーライターをやっていると
これと似たようなことが起きる場合があります。

それは、例えば
チラシに記載した電話番号が
間違っていたとかですね。

実際、僕は昔、雑誌広告で
コールセンターの対応時間を
間違えて出稿したことがあります。

しかも、実際の対応時間とは真逆に。。

店頭で雑誌を買ってから
そのことに気づいたのですが
そのまま失踪しようかと思いましたね。。

だって、その広告費
100万円くらいかかってましたから。

オンラインのページなら
すぐに修正もできるのですが、
印刷物の場合はどうしようもありません。

まさに致命的失敗です。

でも、これ僕だけじゃなくて
確かJMWAの代表理事の成澤さんも
チラシで同じような経験をしていたはず。

あれは本当に不思議なもので
何度も何度もチェックしたはずなのに
なぜか間違いに気づかないんですよ。

それはともかく、、、

こういうたった一つのパーツ
たった一つの間違いによって
全てが台無しになることは
決して少なくありません。

とりわけ、
コピーとは直接関係のない細かいパーツで
その間違いは起きやすいのです。

なので、
セールスレターを作るときは
コピー以外の全てのパーツにも
目を光らせましょう。

あなたやクライアントの努力を
無駄にしないためにも。

それでは、また。

昌子 幹

P.S.
「HomePod miniを買った時の
話をしたかっただけでは?」
と思ったあなた。正しい。
だって、面白い体験だったので^^;

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