from: 藤村紀和
以前商店街プロレスの設営ヘルプをしたときの話です。
ここで『物事って順番があるんだなー』
と強く思ったことがありました。
きっかけは自分の「オリジナル覆面」を作ってくれた職人さんのお誘い。
この職人さん、名だたる覆面レスラーのマスクやコスチュームを手掛けていて、
「プロレスで地域を盛り上げたい!」
という思いのもとNPO法人をつくり活動中です。
プロレス好きの自分としては、
こんなお誘いは有り難いことです。
ただスタッフも手弁当でやってるインディー団体なので、
出場レスラーもいわゆる”インディー系”レスラーの方たち。
おそらくちょっとしたプロレスマニアでも
知らない選手がリングに上がっています。
以前シャッター街になってしまった商店街でプロレスを開催しました。
80席くらいはリングサイドの有料席。
あとは立ち見無料です。
とにかく商店街に人が集まるように!
これが第一目的でした。
リングの設営、椅子並べ、そして来場の呼びかけ。
手弁当なのでお金もない。
そんななかグッズ売り場を担当しました。
これが予想通りで、
全く人が寄ってこない…のです。
考えてみれば、お客さんは商店街関係者の友人知人だったり、
通り掛かりの人だったりするわけです。
当然プロレス業界に詳しくないですから、
知名度の無い知らないレスラーのTシャツやキーホルダーなんて、そら買わないですよねぇ…
そしてだんだんとお客さんが集まって来て試合が始まります。
試合は3試合、出場選手は全員で6名。
熱く、面白く、お客さんとやり取りしながらの試合。
大盛り上がりだったんですね。
そしてこの日、
売り場で『売れないなぁ』と思ってた、
決して有名ではないレスラーのグッズ…
「あぁ、売れるんだなぁ」
という一つの瞬間を目の当たりにしました。
それは試合後のことでした。
メインイベントが終わり、
マイクで挨拶して大団円のあと、
売り場が一氣に人だかりなんですよ!
そしてレスラーが直接販売して、
サイン書いたり写真撮ったり、
とにかく身近なんです。
今回立ち見含めて、
集まったお客さんはざっと200名!
開始前にちびっこプロレス教室をしたり、
菓子撒き・サイン色紙争奪じゃんけんなど企画も入れまして、
場外乱闘も近いところで見せて(笑)。
このシャッター商店街にこれだけの人だかりです。
とにかくお客さんとの距離を近づけたのが功を奏したのか、
そのうちの半分くらいがグッズ売り場へなだれ込んだんです。
見せる側とみる側の距離感が近く一体感もできて、
グッズ販促に繋がりました。
売り場にいた僕も声掛けすれば売れるので、
とっても販売しやすかったんです。
それに割りと高額な商品も売れました。
さらにお客さんが帰るタイミングで、
次回興行のちらしを手配りしながら歩き回ったんですがね、
みんな手にとってくれるんですよ!
売れるには、順番があるんだなーって
強く感じた一日なのでした。
人が購買意欲を持つのには順番があります。
まず困り事が何か?それが表面化しているか?
によって商品サービスを調べる認知行動も変わりますし、
商品サービスが自分の問題を解決してくれることを理解し、具体的な利点や価値を感じなければ動きませんね。
購入意思が出てきたら他とも比べるでしょうし、
決め打ちで購入するなら一品モノである背景も要ります。
最後の到達目標から逆算して階段をつくり、
その階段を一歩ずつ昇って貰う様丁寧に言葉を尽くし、
イメージできる表現で感情を動かすのがライターの醍醐味。
そしてこうして来てくれた人たちが
一過性にならない工夫をしたいですね。