仕掛けるタイミングを計ってみる

from: 藤村 紀和

 

色々とモノが値上がりしまくるなか、
これは嬉しいお知らせでした。

 

何の話って?

 

この御時世に、”値下げ”のニュースでした。

 

 

なか卯の看板商品「親子丼」が、
並盛490円から450円に10%ほど値下げです。

しかも、量が減るという事も無く、
俗にいうステルス行為でもない。

 

 

 

最初このニュースを見たとき、

「もう値上げのニュースなんて耳タコだ、うんざり」

と思っていたので、

「え?!値下げするの??」

と不思議に思ったものです。

 

 

 

現に外食産業は値上げ圧力が凄いです。
ただでさえ薄利なところが多く価格維持に頑張るなか、

 

・人件費
・光熱費
・原材料費
・物流費



と枚挙にいとまがありません。

 

 

しかも鳥インフルエンザによる卵不足と高騰で、
色んなお店では卵を使った看板メニューが中止になるなかでのことです。

 

 

 

なんでわざわざ値下げするんですかねぇ?
…なんて、計算してやってるに違いないですよね。

 

 

その一つが、知名度アップの広告戦略。

「犬が人を噛んでもニュースにならないが、
人が犬を噛んだらニュースになる」

なんてことわざ、聞いたことありませんか?

 

 

ニュースとして報じられるには意外性が必要、
という意味なんですが、
今回なか卯が取った値下げという選択はまさにそのものですね。

 

 

実際新聞にテレビ番組にネットニュース、
報じないところが無いほど今回のなか卯値下げは
メディアジャックしました。

 

 

時流と正反対の逆張り戦略を取ったことで、
広告宣伝費はペイできたんでしょう。

 

 

こうしてみると、
「大企業だからできることなんでしょ?」
なんて声が聞こえてきそうです。

 

 

もちろん実際はなか卯の親会社(ゼンショーホールディングス)が大きく、
値下げできる体力があるのは間違いないです。

 

 

 

でも今回取った戦略を分析していけば活用できることも多いです。

 

 

例えば、大義を謳うこと。

なか卯の広報は値下げの理由として
「看板商品の親子丼をより多くのお客さまに楽しんで貰いたい」
と言っています。

 

 

売上げを上げるための値下げなんですが、
お客様のために値下げするという姿勢を出していますね。

 

 

 

プレスリリースを仕掛けた日も、
新年度の4月1日ではなく4月5日でした。

これも新年度初日には報道するネタが目白押しだから、
少し落ち着き露出効果を最大化するもの。

 

それに商品も親子丼という一般に馴染みある商品かつ価格帯ですしね。

 

 

 

こうしてみれば、
ターゲットとなる客層がどう感じているか?
何に不満を持っているか?

 

を言い当て代弁者となり大義を示すことができれば…
あなたに賛同するお客さんが増えていくことでしょう。

 

 

そして賛同してくれるお客さんは、
共通の敵を持つ仲間として強烈なファンになってくれやすいです。

 

 

いい商品やお店には、
大義とタイミングを見据えて大いに知名度を上げてほしいなって思います。

 

 

中小でも個人でも、目立って選ばれることは可能ですもんね。

 

買う人も、買う理由を求めているものですよ^.^

→ 過去記事『たくさん買っちゃった、そのワケ

 

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