from 成澤将士
先週後半はダイレクト出版さんのLiveインタビューに出演したり、協会のベネフィットワークショップがあったりで、3日連続で喋りまくったのが影響して喉が痛い。
こんな時はマヌカハニー舐めて大人しくしてるのが一番だよね。
んで、そのインタビューやワークショップでも話したのが「ライターにとって一番大事なものは何か?」って事。
あなたはライターにとって一番大事なものって何だと思う?
技術職である以上、ライティングスキルは大事だよね。
職業として続けていくんだからお金が稼げる事も大事だよね。
でも、僕はそれ以上に何よりも大事なのは「倫理観」だと思っている。
まあこの話は何度もしてるから、またかよって思うかもしれないけど、何度もするくらい本当に重要な話。
ちなみに先週の金曜日にニュースになってたけど、漫画家さんが自分の作品をパクられて広告に使われてたって告発してるニュースがあった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b665e06cad6d7bd1d834c2141ca32d7a0dba3db
詳しくはこちらのリンクを見て欲しいけど、要約すると、
・自分の作品をパクった広告が許可なく使われていた
・責任の所在を辿っていったら、下請けの責任だと言われて4次請けまであった
・4次請けの会社の指示を受けた人間が、言われるままにパクり広告を作った
・謝罪は公式サイトではなく無料の簡易サイトで作られていて誠意が感じられない
・今後の対応協議中
こういう感じらしい。
個人的には発注した案件が4次請けまであることに驚いたけど、こういう事象はいつまでたってもなくならないなあと、思わずため息が出た。
ぶっちゃけWEB集客の場合、広告代理店の主な仕事は広告へのアクセス集めだから、アクセス数のためならダーティーな手段もいとわない会社があるのも事実。
もちろん健全なところもちゃんとあるけどね。
今回のニュースの問題は、4次請けまであったのに、誰も「これマズくない?」って思わなかったところ。
そして、言われるままにこの広告を作った人がいるということ。
今回は著作権に関連する問題だけど、それ以外にも薬機法に関連した効果の詐称、お客さんの声の捏造、ビフォーアフターの写真の加工などなど、こうしたダーティーな事案は本当に目に余る。
しかもタチが悪いことに、こうした会社は何か問題が起きると、会社名を変えてごまかしたり、さっさと会社を潰して逃げて別会社を作り、そっちでまた同じことをするから、いくら摘発してもなくならない。
こういう一部の「金のためなら何でもやる」輩のせいで消費者の広告への嫌悪感が増したり、信用度が下がっていくと、僕らこの業界で食っている側は何もしてなくても世間から偏見の目で見られて肩身が狭くなる。
それに、どんどん規制が厳しくなっていって、真っ当にやっている側までその規制のあおりを食って仕事に支障が出てしまう。
だからね、こういうダーティーが許される世界を、僕らは自分を守るためにも食い止めないといけないと思うんだよね。
そのためには、僕らライターが「倫理観」を持つことが一番だと僕は思う。
広告代理店やクライアントから、ダーティーな依頼や指示をされたら、
「それはルール違反なのでできません。お断りします」
この一言を言えるようにしてほしい。
ちなみに薬機法が絡む違反は、販売元、代理店だけでなく末端のライターも捕まるからね。
広告代理店だって、ライターの誰もが「それはできない」って言ったら、ダーティーなものに手を貸す人が一人もいなくなったら、さすがにやり方を考えざるをえないと思うんだよね。
それは途方もない道のりかもしれないけど、みんなが倫理観を持ってやっていけば、できないことでもないと思う。
前にも話したけど、僕らの仕事は良い商品を作っている人と消費者をつなぐ「架け橋」となるもの。
だから売ることは大事だけど、同時に消費者にもフェアでなければいけない。
フェアでいるためには倫理観が絶対に必要だし、悪魔に魂を売ってもロクなことはない。
子供や家族や大切な人に、「これ自分が作った(書いた)やつなんだよ」って胸を張って見せられないような、恥ずかしい仕事はしないでおこう。
きっとあなたは大丈夫だと思うけど、今日の話はずっと忘れないでいてほしいな。