コンテンツよりもコンテクスト

こんにちは、昌子です。

先週は、「おばあさんの新聞」というエッセイを教材に、
人の心を動かす文章では
「何をどういう順番で伝えるかが重要」
という話をしました。
↓↓↓
先週の記事はこちら

今週は、このエッセイの背景について
少し深掘りしていきたいと思います。

というのも、このエッセイが
人の心を動かすもう一つのポイントは
このエッセイの背景にあるからです。

エッセイの中にあるように
このエピソードは
戦後間もない頃の地方の話です。

誰もが貧しく苦労していたことは
想像に難くありません。

実際、筆者の家も貧しかったとありますが
おそらく、このおばあさんの家は
もっと貧しかったと思われます。

文字が読めないので仕事にも苦労したでしょうし、
しかも、頼りのおじいさんも亡くなってしまったのです。

おじいさんのいなくなった家で
一人で暮らすおばあさんにとって、
唯一の楽しみは新聞配達の少年が
新聞を読みにきてくれることだった。

新聞を取り続けることは
おじいさんを亡くしたおばあさんにとって
大きな負担ではあったけど
少年の笑顔には代えられなかった。

エッセイの中でそこまでは語られていませんが、
そんな情景がありありと目に浮かぶんですね。

でも、このおばあさんがもし
目が不自由ではなかったらどうでしょう?

もし、お金持ちだったらどうでしょう?

おそらく、それほど大きな感動を
呼ぶことはないでしょう。

もっと言うなら、もしこのエピソードが
例えば平成の時代の話だったら
そもそもあり得ない話になります。

実は、これが背景情報(コンテクスト)の力です。

同じような話(コンテンツ)を伝えても
コンテクストによって意味合いが
全然変わってくるのです。

これはセールスレターでも
同じことが言えます。

例えば、僕たちセールスコピーライターは
過去にアメリカでヒットした広告を
マネしてセールスレターを作ることが多いのですが、

単に広告のコンテンツ(文章)だけをマネしても
売れることはあまりありません。

なぜなら、その広告が作られた時と
今では時代が違うし、

そもそも、ここは日本であり
アメリカではないからです。

当然、市場の状況や
人々の意識だって違います。

コンテクストは
時間や場所だけではありません。

例えば、広告業界では長らく
白抜きのヘッドラインは
NGだと言われていました。

でも、実はそれはあくまで
印刷広告であることが前提であって、

どうも、ネット上の広告では
必ずしもそうではないことが
わかってきました。

なので、ネット広告では
白抜きのヘッドラインが
結構使われているんですね。

といったように、
コンテンツはその背景にある
コンテクストによって
全然意味合いが変わってくるのです。

なので、
もしあなたがライターを目指すなら
エッセイでもセールスレターでも
単にコンテンツを分析するだけでなく
そのコンテンツの背景にある
コンテクストまで分析してみてください。

そうすることで、本当の意味で
優れたライターのエッセンスを
自分のものにすることができると思いますよ。

それでは、また。

昌子 幹

P.S.
「こんなことが知りたい」
「こんなことが聞きたい」など
リクエストがあれば
この下にあるコメント欄から
どんどんメッセージを送ってくださいね。

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