駆け出しライターが「仕事を受けてはいけない商品」の特徴

from 成澤将士

セールスライターとして活動していると、たまに売るのがとても難しい商品の依頼を受けることがある。

特に駆け出しのころは、こういった売るのが難しい商品のライティングを請けちゃうと、何を書いて良いか分かんなくなったり、書いても良いものができなかったり、リリースしても結果がまったく出なかったりとロクなことがない。

 

ということで今回は、駆け出しライターが「仕事を受けてはいけない商品」の特徴について話そうと思う。

 

個人的に売るのが難しいと感じる商品のパターンは2つ。

 

まず一つ目は、「これといって特徴のない消耗品のような商品」

 

これについては、ぶっちゃけお手上げに近い。

 

以前ある業界のサプライヤーから、「消耗品で性能は中くらい、そして価格は同程度の製品より高め(同価格帯でより高性能なものが買える)」という商品があり、これの売り上げが落ちているので何とかしてほしいと相談されたことがある。

しかも、オファーは変えずに。

消費者も馬鹿じゃないので、競合のより安いものや高性能な商品に流れていき売り上げが落ちていた。

 

これをライティングの力で何とかしてほしいとのことだったけど、オファーを変えずにどうにかするなんてほぼ不可能なので、その時は丁重にお断りした。

 

性能や価格、サービスや保証など、一点突破できる何か光る要素があれば勝負はできるけど、それもなければ、僕らにできることなんてほとんどない。

そしてそんな商品を売ることが消費者の利益になるとは思えない。

 

なのでこういった商品については、触らないのが一番良いと思う。

 

 

次に挙げるのは、「類似品がないような全く新しいもの」

 

これは一見、競合がいなくて売りやすそうだし、売れれば市場を独占できそうで、なんだかオイシイような気がするよね。

でも、これは売るのがとても難しい。

 

なぜなら、「見込み客の頭の中にない商品」だから。

 

例えば「寝るだけで病気が治るベッド」ができたって言われたらどう思う?

「凄い!これは今すぐ買わなきゃ!」って思う?

それよりは「なんか怪しいな」とか「良いかもだけど、ちょっと様子見かな」って思うんじゃないかな。

まあこのベッドは実際に研究が進んでいるみたいだけど、今日言いたいのはそこじゃないので割愛。

 

重要なのは、「全く新しい商品には拒絶反応がある」ってこと。

そしてこの拒絶反応は、保守的な価値観を持つ人が多い日本人には、より強く出る傾向にある。

 

さらに、子供ですら「みんなが持っているから」って理由でモノを欲しがるくらいに、日本人は「みんなと同じが良い」って価値観が強いんだよね。

だからこういった新商品はなかなか受け入れてもらえないし、売るのがホントに難しい。

 

なのでこういった商品を売る時は、企業はマスコミを呼んでプレスリリースをしたり、テレビのようなマスメディアを使って大々的に認知度を上げようとしたりと、新しい市場をつくるために莫大な資金を投入するんだよね。

 

じゃあこういった商品は僕らセールスライターには売れないのか?ってことだけど、答えは否。

もちろんちゃんと売れる。

 

しかし、難易度が高いのも事実。

 

まずリサーチが大変。

リサーチは一般的に「商品、直接競合、間接競合、見込み客」この4つを洗い出すことが重要だけど、こういった商品は「直接競合と見込み客」についての洗い出しがキツイから、まず書くのが難しい。

 

さらに、売るためのセールスプロセスやプロモーションも重要になってくるので、やらなきゃいけないことがむっちゃ多い。

なので、ある程度色んな業界や商品に携わった経験がないと、相当苦しいことになる。

 

だから個人的には、駆け出しのころにやるべき案件ではないと思うんだよね。

それでもやるとしたら、相当な覚悟をした方が良いのは間違いない。

 

 

この仕事の本質は「良い商品と消費者をつなぐ架け橋」だと僕は思うんだよね。

 

だから、前に昌子さんも言ってたけど「商品に惚れこめるか」ってのはかなり重要なポイント。

 

良いなって思えるからこそ筆も乗るし、その気持ちや熱量が文章に現れる。

そして、そういう気持ちで書いたレターはたいてい良い結果が出るし、達成感もハンパない。

 

だからそういった商品のライティングに携われることが僕らにとって最高だと思うし、仕事選びの際はそういう視点も忘れないでほしいなって、僕は思うんだよね。

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