翻訳されたスワイプファイルを使うときの注意点

from 成澤将士

セールスライティングにおいて、スワイプファイルの重要性はきっとあなたも知っていると思う。

過去に上手く行ったセールスレターを型(スワイプ)にすることで、誰でもある程度のクオリティのセールスレターが書けるという、素晴らしいシロモノだよね。

こうしたスワイプファイルは、僕らマーケティングに関わるライターにはある意味「仕事道具」とも呼べるし、どれだけ知っているかがそのまま書けるレターの幅になったりする。

 

そんなスワイプファイルだけど、特に有名で「古典」と呼ばれるようなもの(2ヤングマン・ピアノコピー・アメージングダイエット等々)は、そのほとんどがセールスライティングの本場、アメリカでつくられたものだよね。

それが日本語に翻訳されて、こうして僕ら日本人もそのスワイプファイルを使っている。

 

んで、この海外が元になっている翻訳されたスワイプファイルを読むと分かるんだけど、日本語の表現が直接的だったり、ちょっとおかしいことがあるんだよね。

まあ、翻訳なんだからしょうがない部分もあるんだけど、スワイプファイルなんだからそのまま真似すれば良いと思って、表現や文体がおかしいのにそのままライティングしちゃうのも、初心者あるあるだったりする(笑)

 

この、「翻訳の表現がおかしい問題」なんだけど、実はこれが日本語でのライティングの難しさを表している。

 

あなたは「オノマトペ」って知ってる?

音喩とも呼ばれるものだけど、要は擬音だよね。

 

例えば、雨が降るときのオノマトペだと、

・ざあざあ
・しとしと
・ぱらぱら
・ぽつぽつ

なんかがあるよね。

 

他にも、「笑う」ときのオノマトペだと、

・からから
・けらけら
・げらげら
・ころころ
・くすくす
・にっこり
・にたにた
・にやにや
・にやり

みたいな感じで、表現がたくさんあるよね。

 

そして、こういったオノマトペの表現って、実は英語や他の言語と比べて、日本語の方が圧倒的に多いらしい。

 

じゃあ、外国人はこういったオノマトペ的な表現はどうしているかというと、それは「ボディーランゲージ」や「表情」で伝えるんだそう。

 

日本人と比べて外国人の方がよりマスクを嫌がるのは、こうした背景もあるからかもしれないね。

 

つまり、コミュニケーションで何かを伝える際の「言語」によるウエイトは、そもそも日本語と外国語では全く違うってこと。

 

乱暴な言い方をすると、細やかな表現は、外国語の方が日本語と比べて乏しいってことだと思う。

これはどっちが言語として優れてるとか優劣の話じゃなくて、そういう文化的な違いがあるってことね。

 

 

んで、ここに気づかないで、元のスワイプファイルが「直接的な表現」だからと、その表現をそのまま真似てしまうと、我々日本人が読んだ時にそれは「違和感」に変わってしまう。

そして、日本人はこの違和感に対してかなり敏感。

んで、違和感があるレターは、残念ながら読んでもらえない。

 

だから、スワイプファイルを読み解くときは、こういった文化的、言語的な「違い」を意識してみると、見え方や伝え方がだいぶ変わってくると思うんだよね。

 

たまに「古典のスワイプファイルは使えない」って言ってる人もいるけど、それはこうした背景や違いを理解してないから、上手く活用できてないだけじゃないかと、僕は考えている。

あとは、そもそもどのスワイプファイルを使うかの適切な判断ができてないとか、ライティングスキルが伴ってないだけってのもあるかもだけどね。

 

そんなわけで、心情的な部分をレターに入れ込む作業が多く、さらにオノマトペや比喩などを駆使する分、海外と比べて僕ら日本語のセールスライターの方が、たぶん難易度が高い。

 

それに、「各語の90%以上を理解しようとする場合、フランス語なら約2,000語、英語なら3,000語、ドイツ語なら約5,000語、日本語なら10,000語が必要」なんて言われるくらい、そもそも日本語に求められる語彙力は文字通り桁が違うしね。

 

最近海外ではAIによるライティングなんかもかなり開発が進んでいるみたいだけど、それが同じように日本でできない理由は、まさにこの「言語の違い」にあるんじゃないかと、僕は思う。

実際、ネット界の覇王である天下のgoogleの翻訳でさえ、いまだに日本語をまともに翻訳しきれているとは言えないしね。

 

日本人が「日本語を使い」、「ニュアンスを言葉で伝える」ことをやめないかぎり、まだ当分僕らの仕事はなくならないだろう。

そういう持続性とか専門性って観点でも、セールスライターはやる価値のある仕事だと僕は思うんだよね。

 

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