from: 藤村 紀和
今日は、自戒も込めての内容です。
先日師匠の成澤とオンラインで、
諸々相談していたときのことです。
話の流れで、
「今もっとも藤村さんに必要なもの」
として、セロハンテープの話をしてくれました。
その話がお役に立てばと思い、シェアいたします。
セロハンテープ。
あなたもきっと頻繁に目にして、
使ってきたアイテムでしょう。
道具箱にも、はさみや定規とともに、
必ず入っているものですよね。
この開発話に、
とても大事な教えが入っていました。
米国でのお話。今から約90年前に、
とある断熱材を取り扱う製造業者から、
「耐水性を持った包装を密封するのに、
適した材料を探してくれないか」
こうした相談が、マスキングテープの
製造で実績を持つ、3M社へ相談が来ました。
この製造業者は、
湿気から製品を守るために
包装を密閉する耐水性が強い
材料を探していました。
そこで開発されたのが、
新しく開発されたデュポン社製の
防湿セロファンを使ったシール。
このセロファンに接着剤を塗り、
貼り付ければいいんじゃない?
塗料を塗るときに、セロハンに接着剤を塗って
マスキング用途で使っていたそうなんです。
でもこれでは長さが持たない…
そこで、トイレットペーパーみたいに
ロール式に巻くことができれば、
たくさん使えてなおコンパクトになる!
そんなアイデアが出たんです。
だがしかし…
ロールに巻いたら、接着剤を塗った面が、
表面にもベタベタ着いて使えないのでは…?
うーむ、、どうしたらいいんだろう?
で、あれやこれや半年悩んだそうなんです。
理論上はこうだ、いやこうしないとダメだろう。
計算してどうしたらGOサインになるのか…
ところが現実は面白いもので、
一度試してやってみたら、なんのことはない…
セロハンの表裏で分子構造が違っていたので、
表面がベタつくことなくできてしまったんです。
半年間なにも実行に移さず、
やらずに損した!って話なのでした。
自分も傾向としてよくありますが、
「こうしないとダメだろう」
「計算上うまくいかなければ」
なんて、準備が整うまで動かない…
そんなことってありませんか?
(僕はとても多いです)
これを戒めとして、
セロハンテープ人間にならないように、
あなたにもシェアしたいと思い、書かせて貰いました。
「自分は○○だ…」という、
役に立たないレッテルは即剥がしたいものです。
セロハンテープのように、ですね!
追伸)
一般的にあなたもよく聞く、
「セロテープ」という呼称。
これはニチバンの登録商標です。
医療用絆創膏を作っていたニチバンに戦後、
GHQが製造を打診したところからが始まり。
試作品を1か月で持って行って驚かれたとか(笑)