from 成澤将士
先日ある案件のライティングをするためにリサーチしていた時のこと。
リサーチをしていくと、その商品に関係するジャンルに対するペルソナが持っているイメージは「こうであろう」という仮説が立った。
ところがリサーチをさらに進めていくと、そのイメージと事実には大きな乖離があるのではないか?と大きな疑念が生じた。
例えるなら、「ほとんどの人に好かれてる」と思っているけど「実はめっちゃ嫌われている」みたいな感じ。
んで、このギャップを切り口に話を進めていくのが一番インパクトあって面白いなと考えて構成を組もうと思ったんだけど、ここで厄介なのが、人は「自分の信じているものを事実だと思い込む保守的な生き物」だということ。
つまり、「事実かどうかよりも、自分が信じられるかどうかの方が重要な判断基準」なんだよね。
この習性があるから、怪しい宗教や詐欺なんかに引っかかる人が後を絶たないワケ。
だから、こういうギャップを攻める時には、まず「思い込みと事実が違う」ことを、分かりやすく客観的に証明してみせて、「自分の考えは間違っていたんだ」とパラダイムシフトを起こしてやらないと、反感を買うだけでその後の話の本筋なんか聞いてもらえない。
ちなみに、そういったパラダイムシフトを起こさせる材料として、統計やデータなんかは一番説得力がある。
統計やデータは数字で客観的に分かるし、事実だから疑いようがないんだよね。
例えがどギツすぎるけど、「あなたは人に嫌われていますよ」って言っても、「そんなことない。自分は周りに好かれているに決まってる」って思ってたら、話は永遠に平行線。
でも、「あなたのことを好きか100人に聞いたら、83人が嫌いって言ってますよ。理由は、、、」って言われたら、受け取り方は全然違うよね。
なので、その仮説を立証するために、それに関する統計データを探したんだけど、ニッチなジャンル&ナイーブな内容なだけあってまあ見つからない。
それについて触れている競合も、やはりフワッとした表現しかできてない。
何日か探してみたけど、完全にお手上げ状態。
しかも、内容的に僕の周りにペルソナに近い人もいない。
こんな時、あなたならどうする?
見つかるまでもっと時間をかけて探す?
証拠があやふやなままフワッとした表現で無理やり押し切っちゃう?
それとも諦めて別な切り口を考える?
どれもやりがちなことだけど、
もうすでに何日も探しているから、さらに時間をかけても見つかる可能性は限りなく低い。
フワッとした表現で無理やり押し切っちゃうと、怪しくなってレターの説得力が落ちる。
別な切り口はこれまでやりつくしていて、かなり勝算が低い。
こんな感じで、僕はどれも選べなかった。
じゃあ、どうしたのか?
答えは、
「データがないなら作ればいいじゃない(マリーアントワネット風)」
もちろん、データを偽造や捏造するってことじゃないよ。
それはライターとしてやっちゃいけないことだからね。
なので、これに関するアンケートを自分で作って、客観的なデータを集めることにした。
「でもどうやってそのアンケートを広めるのさ?」って思うかもだけど、今はホント便利なもので、そういうリサーチを手伝ってくれるサービスが色々あるんだよね。
例えば有名な外注サイトのランサーズでアンケートを出すと、登録している人たちが1人あたり5円程度で回答してくれる。
だから、例えば100人にアンケートを取っても500円のコストで済んじゃうワケ。
これってコストが安いこともメリットだけど、自分が欲しい回答に関する設問ができることも、大きなメリットだったりする。
んで、アンケートの結果、僕が思っていた疑念や仮説は正しいことが立証されたから、無事にその切り口を使った構成で作ることができた。
ちなみに、このレターのラフを見せた時のクライアントの興奮はなかなかのものだった(笑)
リリースはこれからだから、反応が出るかドキドキワクワクだけどね。
ということで、欲しいデータが見つからないときは、自分で作るって方法もあるって憶えておくと、何かの時に役立つかもよ。
僕もこの格安で外部にアンケートを出すって方法は、5年くらい前にライター仲間の人に教えてもらってて、それが今回役に立ったんだよね。
僕らライターってフリーランスの人が多くて横の繋がりも作りずらいから、なかなか情報も入ってきずらいんだよね。
なので、これからもこういうちょっと使える小ネタみたいなのをなるべく話すようにしていこうと思うし、みんなが交流できるようなサービスも今後できればいいなって考えてるよ。
んじゃ、今週もお互い頑張りましょう!