値上げのお作法 ~日頃の姿勢がモノをいう~

from: 藤村紀和

 

値上げラッシュが凄いですね。

 

色んなところで、値上げ値上げ。
某社のハンバーガーは今年だけで2回の値上げ、
ハンバーガー単品110円がなんと150円に。

 

円安もあって食料品も光熱費も大幅に値上がりし
家計への打撃は甚大です。

 

 

 

ただ私が思うに、収入が増えないのよりも
(今年は民間平均給与が3年ぶりに増えたんだとか)
物価高もそうですが税金や社会保険料の徴収率増加が
問題だと思っています。

 

給料増えたとしても、持っていかれる額が多ければ
納得いかない感情が強く残ります。

 

 

現に可処分所得は15年前と比較し年収ベースで15%減、
逆に社会保険料負担額は30年前と比べ1.5倍増です。

税や社会保険の使途を全てオープンに、
ガラス張りにしろ!!と言いたいですね。
(きっとそう出来ない事情があるんですね笑)

 

 

こんな値上げラッシュの時は
「それ、関係ある?」と言いたくなる便乗値上げや
「そんなに値上げする?!」と根拠が分からない値上げが散見されます。

 

なのでこちらもガラス張りよろしく、
値上げの理由を明確に伝えることが大事だと思うんですね。

 

 

そして、真面目に仕事へ取り組む人や会社ほど
「値上げしたら、お客さん居なくなるのでは…」
と怖れています。

 

でもそういう方ほど、丁寧懇切にアピールできれば
ピンチがチャンスに変わると思うんですね。

 

なぜなら、そういう人ほど常日頃からお客さんを大事にし、
いい仕事をして信頼を積み重ねているからです。

 

 

知合いのペットサロンを例に挙げてみます。

トリミングやペットホテル、しつけ等のトレーニングを事業にしています。
ここもご多分に漏れず、
光熱費や備品など軒並み値上げの影響を受けました。

 

 

従業員の待遇も考えれば値上げは必要、
でも単なる便乗値上げはしたくない。
それにもともと提供サービスの質から見れば
他者と比較し料金は安かったんです。

 

 

そこで、顧客に対し値上げの連絡をしました。

このお店は定期でニュースレターを発行していたので
臨時号を作成し背景・理由や思いを載せ発行しました。

 

内容はお客さんの目線で書くことを意識しました。

 

「それ(値上げは)、お店の都合でしょ」
と極力受け取られないよう、
提供する価値・他社との違いを前面に訴えました。

 

「ホテルは自宅の隣りですから、夜間もすぐ対応できます」
「広い庭があるので一日ゲージに入れっぱなしにしません」
「あなたのワンちゃんネコちゃんを家族のように迎えます」

などなど。

 

 

 

お客さんにニュースレターを確実に読んで貰うため
店頭のPOPや配信メールでも
「レターに今回の決断と経緯をしたためました。ご一読お願いします」
と発信しました。

 

 

 

その結果は……

 

 

客離れを起こす不安をよそに、
値上げ前の月と比較して売上げが減るどころか
6%ですが売上げが増えたんです。

 

 

お客さんの反応は様々でした。

理解してくれず文句を言い離れた人。

「そうなんですね」と理解してくれたようで、利用をしなくなった人。

「しょうがないよね」と言いながらも継続してくれる人。

「大丈夫、今まで安かったくらいだよ」と応援してくれる人。

 

 

関係構築ができているお客さんは理解が大きく、
値段だけが理由で利用していたお客さんは離れたという、
分かりやすい結果になりました。

 

こうしてみれば良い仕事をするだけではだめで、
相手への価値提供をしっかりアピールできてこそ
顧客がお得意様や良き理解者になってくれるということです。

 

 

価格を理由に購入していれば、
いつも買っている商品が値上がりするとなると
価格が安い類似商品に替えないでしょうか?

普段利用している商品やサービスで
相手の顔が見えて繋がりが深ければ、
値段が多少上がっても応援したくないですか?

 

 

価値ある提供サービスに対価を要求するのならば、
日頃の繋がりや提供価値を伝え続ける努力が大事ですね。

 

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