from: 藤村紀和
もうすぐ世間は夏休みですね。
こんな御時世ですから、出掛けるなら外がいいですね。
暑さには注意しながら楽しみたいものです。
僕の地元には面白い観光スポットがありましてね。
そこは地元の建築家が建てた一風変わった家と、
中世ヨーロッパの村を思わせる佇まいがある場所です。
昔「シルバニアファミリー」というおもちゃ(?)があったですが、この世界観にピッタリなコンセプトの場所です。
こんな感じ。写真はイメージですが。。
そしてこの場所、公園とかでなくて
なんと普通に民家が立ち並ぶ町中にあるんです。
メルヘンな造りの建物に、
雑貨やレストランなどお店が入っています。
女子ウケ・インスタ映えにうってつけの、
とても人気のスポットになりました。
ところがこの人気スポットに、
ある異変が発生しました。
こんなことになったら、
あなたならどう思いますかね…
人気スポットにある日起きた異変。
どんな異変かというと、
ちょっと前から、
入園料を徴収されるようになったんです。
今まで普通に行き来できて、
自由に街並みを観ることができたところに、
門ができて壁ができて、ゲートが設けられて…
通行料を徴収される。
こうなると、あなたならどうしますでしょう。
特にこの世界観が好きなファンだったり、
常設している雑貨店やレストランに興味なければ
きっと「お金払ってまで入るのもね…」
ってなるんじゃないかと思います。
実際地元からは大変不評で、
「金儲け主義だ!」
「閉鎖的にして何事だ!」
なんて声がけっこう多く聞かれました。
で、実はこの場所を管理している社長が、
たまたま小中学校の先輩だったということもあり、
(しかも妹さんが同級生だったという)
いろいろ話を伺うことができたんです。
実際入場料設定方式にしたことで
批判がたくさんあったのは理解されてました。
ただ現実問題、人は来るけど来るだけで
お店にお金が還元されないとも言いました。
お店のジャンル自体が、世界観に合うものの
来る人にマッチしないというのもありました。
で、周辺の渋滞等も鑑みて、
思い切って入場制にシフトして
ファンになってくれる人だけにフォーカスしようとなったそうです。
その結果、
・入場料と年間利用者数の予測で安定的に収入が計算できるようになった
・利用してくれるファンに向かってコンテンツを磨けるようになった
と仰っていました、
今ではほとんどが県外からの観光客とも言っていました。
※ただコロナ禍の影響は大きいようです
こうしてみると、必ずしも入場料課金するのは悪いばかりじゃありません。
レターでも様々なオファーを作りますよね。
そしてお金は必ずついて回るものです。
無料にしたり安く設定すれば、
「まぁ、試してみてもいいか」
と人は増やせるかもしれませんが、
本気の人は少なくなりがち。
面白い話がありまして、
公園で桜のお花見をするじゃないですか。
東京では、入園料を取られる新宿御苑と、
普通の公園である日比谷公園や上野公園で
差が顕著なんだそうですよ。
無料の公園では、バカ騒ぎに後片付けができない人間がたくさん居て、新宿御苑では静かに花見を楽しみ後片付けをして原状回復しているんですって。
そういうところにお金を使う人と、
「なんで徴収されなきゃいかんのだ」
と無料優先の人間では、
やっぱり質が異なりますから、
どっちをお客さんにしたいかは一目瞭然ですよね。
今オリンピックで活躍しているアスリートに
心無い罵詈雑言を浴びせる輩がいますね。
これもSNSという無料かつ匿名で好き勝手言えてしまうツールのなせる術。
お金を設定するということは、
収入を増やす目的もあるですが、
「ここは、こういう人が来るところです」
という具合にこちらがお客を選ぶ行為でもあります。
浦安の某テーマパークのように
年々パスポート値上がりもどうかと思いますが、、
これも好きな人にとっては、他者に対する参入障壁になります。
空いてるところで楽しみたいですもんね。
ただ当然そこには、
提供する商品サービスを必要とする人たちがいて、
そこへしっかり価値提供ができていることが前提なのは、言うまでもありません。
自分を選んでもらう努力をしつつ、
同時にお断りな人を寄せ付けないという、
この手段を使わない手はありませんね。
もちろんそこに至るために
提供できる価値を高めたりだとか、
自分自身が「こういう思いの人」というキャラクター性も明確にしていきましょう。