仕事を請ける基準を作ろう

from 成澤将士

先日、個別コーチングをしているライターさんから「仕事を請ける基準はありますか?」と聞かれた。

どうやら最近依頼が増えてきて、来るもの拒まずで何でも請ける今までのやり方では難しくなってきたらしい。

これはライターとして頑張っていくとほとんどの人がぶち当たる壁でもあるから、今日はそれに対する僕の考えを話そうと思う。

 

僕のこの質問に関する答えはとてもシンプル。

僕が請けるかどうかの基準にしているのは、

◆何か光るもの(勝負できるもの)があるか?

◆その会社(もしくは人)と一緒に仕事がしたいか?

基本的にはたったこれだけ。

 

もちろん報酬的な条件は大事だけど、それよりも上記の2つの方が重要度ははるかに高い。

なので、この両方が揃わなければ、仮に報酬がいくらでも断ることにしている。

 

実際過去には、投資関連の案件で出来高報酬で2億を提示されたこともあるけど、この基準に満たないと判断して断ったことがある。

「え、なんで?変な条件つけないでやれば良かったじゃん!」
って思うかもしれない。

実際僕もちょっと揺らいだよ。2億かぁ、、って(笑)

でも請けなかった。

 

僕がなんでこんな基準を設けているかと言うと、大きな理由は2つ。

 

1つめは、この仕事の本質が「売り手と買い手の橋渡し」だから。

僕はこの仕事を、「売り手と買い手の橋渡し」だと思っている。

ただの橋である以上、渡る人は区別できないよね。

だから、売り手も買い手も平等に扱わなければならない。

言い換えると、売り手と買い手、どちらも「ハッピー」になる取引じゃないといけない。

 

例えば何かを売る場合、機能や価格やサポート、ネームバリューとか、まあ何でも良いんだけど競合と比べて何かしら優位性がない場合、そもそも売るのが難しい。

それに、競合より劣る商品だったら、それを買った人も「買って失敗した」って思う可能性が高いよね?

そして、そういう商品はたいてい売れない。

売れなければクライアントが不幸になるし、仕事を請けた僕らも「売れないライター」のレッテルを貼られてしまう。

誇張表現で無理やり売ることもできるけど、それは消費者を騙すことだし、その後の摘発や訴訟トラブルを考えても、そもそもやるべきじゃないよね。

 

そしてもう1つの理由は、「書くのがしんどいから」

この仕事をしていると、中には「この商品が売れなければ会社が倒産する」、そんなギリギリの切羽詰まった状態で、まさに社運を賭けた最後の砦として命を託されるようなシビアな依頼も一度や二度ではなくある。

自分たちの出来次第で人様の人生を終わらせてしまうかもしれない。

お医者さんほどじゃなくても、その恐怖とプレッシャーは、マジでハンパない。

 

正直、僕は今でもセールスレターを書くのは気が重いし、時間がかかるし、かなりしんどい。

なぜなら、背負うものが重いから。

だから仕事をする時はとんでもなくエネルギーと神経を消耗する。

リサーチを始めたらオフの時間でもそれが気になって夢に出るし、書き始めたら脳が興奮状態になって完成まで何日かまともに眠れなくなる。
そして書きあげたら、疲れ切って数日は動けなくなる。

 

なので僕は、「書くのが楽しい」とか「パソコン1つで楽に稼げる」とか言ってる人は、そんな次元を超越した凄い人か、もしくはこの仕事の本質を分かってない人なんじゃないかと思っちゃうんだよね。

もちろん個人差はあると思うし、僕みたいにプレッシャーを感じない人もいると思う。
内容による程度の違いもあると思うしね。

 

そんなしんどいなら辞めれば良いじゃん。って思うかもしれない。

でもこれは、とてもやりがいや面白味のある仕事だし、人のためにも自分のためにもなる意義ある仕事だから、しんどいけど辞めようとは思えないんだよね。

 

まあそんなワケで、書くのはしんどいのよ。

ここまで自分の身を削って作り出す行為ってある意味辛いから、僕はドMじゃないし自分から喜んで飛び込めないんだよね。

それこそ、このクライアントの商品を売りたい!とか、この人たちのために頑張りたい!とか、これで喜ぶお客さんいるぞ!みたいなモチベーションがないとさ。

 

だから、この2つが揃わないと頑張れないし良い仕事ができないんだよね。

そしてこの仕事を長く続けていくのにも、必要な要素だと思ってるんだよね。

 

とはいえ、僕の考え方が必ずしも正解で絶対間違ってないなんてことは思わない。

人それぞれ考え方が違うように、基準もそれぞれ違って当たり前だしね。

 

幸せなことに僕らは大体のケースで「仕事を選ぶ」ことができる。

仕事である以上楽なことばかりじゃないし、嫌々でもやらざるをえない時もあるけど、それでも比率で言ったら請けるかどうかの選択肢はこっちが握ってるのは間違いない。

 

だから、そういう局面になったときに「請けて失敗したなあ」ってならないように、大筋で良いから「自分の基準」みたいなものをあらかじめ決めておくのが良いんじゃないかな。

そうやって自分の基準に則って決断したことなら、たいがい頑張れるんと思うんだよね。

 

ということで今日はここまで。

んじゃ、今週もお互い頑張りましょう!

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