仕事の根底に必要なもの

from 成澤将士

「良いパフォーマンスは良い睡眠から」って言葉、あなたも聞いたことがあると思う。

かの大谷翔平選手がパフォーマンスを維持するために、何よりも睡眠を重要視してるのは有名な話だよね。

 

んで、僕も良い睡眠をとる気はマンマンなんだけど、最近どうも眠りが浅かったり朝起きると頭が痛かったり重かったりでちょっと微妙な感じの日が多かった。

改善しようと寝る前に飲むドリンクを変えてみたり、サプリを飲んでみたり、ツボを押してみたりしたけどどれも効果はイマイチ。

 

んで、原因を色々考えてみたんだけど、どうも枕が合ってないんじゃないかって結論に辿り着いた。

この際だからどうせ枕を変えるなら自分にしっかり合ったものにしようと思い立ち、枕を買いに出かけることに。

 

出かける前に、枕のフィッティングサービスをやってるお店を調べたら、わりと近くのショッピングモールに2軒のお店が入っていることが分かった。

ちなみにそれぞれのお店の特徴はこんな感じ。

・A店
枕の形状や中の素材など、全て自分の好みにカスタムできるフルオーダー店。
豊富なバリエーションとカジュアルな雰囲気が人気。
購入後、合わない場合は何度でも無料で調整可能。
最近ショッピングモールを中心に店舗を爆発的に増やしている。

 

・B店
有名な元スケート選手が広告塔になっている大手寝具メーカーが立ち上げた枕の専門店。
コンセプトごとに形状や中の材料は数種類から選べるセミオーダー店。
認定を受けたプロのフィッターがお客さんの首の形状の計測からフィッティングまでコンサルしてくれる。

 

んで、2店舗行く時間がもったいなかったから、どっちか狙い撃ちで行くことにして、もう少しリサーチしてみることに。

 

ということで口コミを調べてみると、まあA店の評判が悪い。

とにかく多かったのが「枕の調整で再来店すると調整の待ち時間に高額なマットレスをしつこく営業かけられる」というもの。

 

なるほど、そういうビジネスモデルなのね。

僕は仕事柄、売り手側がどういう営業をかけるのか観察するのもキライじゃないし、まあそういうのは別に構わない。

 

ただ、ある1つの口コミが気になってA店に行くのを止めた。

それは「店員が素人で商品知識がない」というもの。

 

僕は、睡眠の質を改善するために「自分の体に合う枕」が欲しいワケで、「自分の好みの枕」が欲しいワケじゃない。

 

前の枕みたいに自分の好みや直感で選んで失敗はしたくないし、買う時に色々店員さんに聞くつもりだったから、この口コミは見逃せなかった。

そもそも何度も調整可能ってことは、裏を返せば一発で合わせられないってことなのでは?

って疑念も生じてきたので、悪い口コミがほぼなく、逆に絶賛の声が多かったB店の方に行くことに。

 

それでB店の方に行ったんだけど、このB店の店員さんがホント凄い人だった。

 

最初に首の形状の計測をしたあと、現在の状況や新しい枕への要望、自宅のマットレスの硬さや寝る向きなんかもヒアリングしてくれて、ベッドに横たわる僕に合いそうな色々な形の枕を持ってきてはその特徴を教えてくれて、それぞれ高さ違い、中の素材違いなど30分くらいかけてじっくり向き合ってくれた。

 

フィッティングの中盤、どうも自分の体に合う枕の中で完全にしっくりくるものに出会えないなぁと思っていた時、それを察したかのようなタイミングで店員さんが驚くようなことを言った。

 

「ウチはセミオーダーでどうしても融通がきかない部分があるので、お客様の状況に完全に合わせるなら、フルオーダーのA店が良いかもしれません」

 

なんと僕のためにライバル店を勧めてくれたのだ。

 

なので僕は、「事前に調べたら、A店は知識が足りない店員さんが多いみたいで行くのやめたんですよね」と答えた。

 

すると、「なるほどですね。では先程の計測データとお客様の状況を控えた紙をお渡ししますので、そちらを見せれば大丈夫だと思いますよ」と言うのだ。

 

この対応、マジで凄くない?

一応言っとくけど、僕が厄介な客で店員さんが僕を追い払いたかったワケじゃないからね!

 

 

お客さんの望む結果のために自社以外の選択肢も提示する心からの顧客第一主義。

 

これがこの店員さんの個人的な精神なのか、会社の精神なのかは分からないけど、本当に素晴らしい。

ここまでされたら、逆にここ以外では買いたくなくなるよね。

 

その後、ちゃんとしっくりくる枕が見つかって無事お買い上げ。

 

んで、実際その枕で寝るようになってから、途中で起きなくなったし、起床時の頭痛や頭の重さもなくなったんだよね。

安くない買い物だったけど、良い買い物ができた満足感でいっぱいだった。

 

 

お金を払うという行為は、払ったお金と同等、もしくはそれ以上の価値を得ようとする行動だけど、その得られた価値が自分の想定をグンと超えた時、人は感動する。

感動したお客さんは、そのお店や商品のファンになり、リピーターとして上顧客になったり、口コミを広げてくれる宣伝部長になってくれる。

 

顧客満足度を上げる方法は何種類もあるし仕組化することもできるけど、そうしたものの根底には本当の意味での「お客さん目線」や「思いやり」がなければダメだと思う。

会社やお店のルールだからそうしているのか、それとも本当に喜んでほしくて、満足してほしくてやっているのかは、ちゃんとお客さんにも伝わっているし、同じ行為でも絶対にクオリティに差が出るのは間違いないよね。

 

僕はこの仕事を始める前、飲食店で働いていた時からずっと、何かを「売る」という行為の根底にあるものは「思いやり」だと思って向き合ってきたし、今の仕事もそう思って取り組んできた。

それを自然体で体現している素敵な店員さんに出会えたことが凄く嬉しかったし、自分もずっとそれを忘れずにいようと改めて思うことができた。

 

良い刺激と感動をありがとう、ロフテー枕工房さん。

最後までB店の名前は伏せておこうと思ったけど、つい名前出しちゃった。

ほら、気づいたら僕も宣伝部長になってるじゃん(笑)

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