続・大河ドラマに見る戦国マーケティング~これで権威性に勝ちました~

from: 藤村紀和

 

前回書いた内容が思いのほか楽しんで頂けまして、
大河ドラマに見る戦国マーケティング~これで政権取りました~

お便りなどなどありがとうございました。

という事で調子に乗りまして、
今回もまた歴史を題材に書いちゃいました。

 

 

そして書くにあたって意識した注意が一つ。

映画やゲームなんかもそうですが、
大抵1st作品が好評を博した後に出る2nd作品って
滑りがちなことです。
なのでより気合入れて書こうなんて思うわけです。

 

 

 

今日の内容はですね、
権威性が通用しないときはこんなとき…
という話です。

 

 

 

前回と同じく舞台は鎌倉時代。
源平合戦が源氏の勝利に終わり、
鎌倉幕府成立後に源頼朝が亡くなった後
「承久の乱」って戦いが起きます。

 

教科書にも載る内容なので、
覚えておられる方も多いと思います。

 

 

 

どんな内容化と端的に言えば、、

~背景~
鎌倉幕府という史上初の武家政権が誕生。
しかし源頼朝直系の血筋は3代で絶え、
執権北条義時は皇族を将軍に迎えようと
後鳥羽上皇に要請します。

 

畿内を中心にした朝廷権威はまだ強く、
後鳥羽上皇はその条件として
「この土地返せ」「幕府の役人を撤収せよ」
「配下の侍を釈放せよ」
と条件をつけます。

 

幕府は武力恫喝もちらつかせますが、
後鳥羽上皇の強硬姿勢は崩れず、
結局藤原摂関家から将軍を迎えることで落ち着きます。

 

 

ここから京都・朝廷 vs 鎌倉・幕府の対立が燃え上がります。

 

後鳥羽上皇は「幕府が自分の支配下にあること」
を目論見、幕府に不満を持つ武士を集め挙兵、
幕府の体制転覆を狙う…に至るわけです。

 

 

 

後鳥羽上皇、
まさしく権威の頂点にいらっしゃる御方です。
変わった御方で、武芸が大好きだったそうです。
近衛兵なんかを持つわけです。

 

 

当時は血筋がモノを言う時代、
そのトップに君臨するお方の挙兵です。

 

 

 

だから当然、幕府側の武士にも動揺が走ります。
なんせ権威の頂点から攻められるんですから。
朝敵なわけです。

 

 

しかし死んだ頼朝の奥さん、北条政子が凄かった。
幕府配下の武士に演説をするんですね。

 

「誰のおかげで今、我々は生活できるのですか」
「また元の虐げられた、人扱いされない姿に戻るのですか」
「今こそ幕府を、私たちが勝ち取った権利を守るときです!!」

 

 

語りのなかでイメージさせるわけです。
自分たちは自分の土地を切り開き、一所懸命守ってきた。
もちろん生活のため、一族のために。
しかし奴らは権力を振りかざしこれを認めない。
没収された者たちは着の身着のまま、
その日食べるものにも困る…

 

 

 

そして一人が立ち上がれば、
後は皆がそこに続き、
「俺たちの土地を、自治を守るんだ」
と一致団結総意のもとで立ち上がったわけです。

 

 

 

その後の結果は教科書の通り。

権威に胡坐をかき、権威で人が動くと思っていた方は負け、感情を揺り動かされた方は積極的に動き、勝った。

 

そりゃ悲惨な生活に戻りたくないですよね。
しかも自分たちの権利を勝ち取ってくれたのが幕府を開いた頼朝であり、今その奥さんが私たちを想ってくれる。

 

今ようやく生活が良くなった。
もう昔に戻りたくない。
そんな感情に訴えかける…

 

 

 

 

強く抱える感情、しかも負の感情に訴えかければ、人は動きます。

 

 

最もこの事例、権威性の頂点である後鳥羽上皇は、
「自分が一番偉い」を実現したかっただけなんですよね。

 

 

誰に向けてメッセージを出してる?
誰のために、それやろうとしてる?
相手の身になった内容を発している?

という、これまたセールスやマーケティングの鉄則(Youメッセージ発信)でございます。

 

 

 

ということで、今日の内容は、
相手が抱える強い感情に寄り添い訴えれば、動くということ。
そして、いくら権威があっても自分が自分が…になれば失敗するよ、という事例でした。

 

 

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