From:昌子 幹
僕が時々読み返す本の一冊に、マイケル・E・ガーバーの「はじめの一歩を踏み出そう」という本があります。
起業に関する本なんですが、コピーライターにとってもとても役立つ一冊だと思うので、まだ読んでない人はぜひ一度読んでみることをおすすめします。
それはともかく、この本によると、自分で事業を始める人というのは誰でも3つの人格を持っているそうなんですね。それが、起業家、マネジャー、職人の3つ。
で、本来であれば職人→マネジャー→起業家というように変化していかなければならないんですが、ほとんどの人は職人として事業をスタートして、やがてそのまま燃え尽きてしまうそうです。
どういうことか、本の内容を少し引用させていただくと、、、
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独立した当初は何も考える必要はない。職人として仕事をこなすことにかけては、あなたはベテランだ。だから、事業を立ち上げてまもない幼年期の間は、あなたは喜んで働こうとする。「目の前に仕事がある、それで十分じゃないか!」
こうやって、1日に10時間、12時間、14時間、そして1日も休むことなく1週間働くようになる。
(中略)
運が良ければすぐにでも、あなたの努力や苦労は報われることになる。「頑張ったおかげで、お客さんも店のことを覚えてくれるようになった。何度も来てくれるし、友達にまでうちの商品を紹介してくれる。その友達はまた別の友達に紹介してくれる。みんなが私の店のファンになってくれた!」
(中略)
ところが、ある日を境に変化が起こり始める。初めのうちは小さなものかもしれないが、その問題はだんだんと明らかになってくる。ついに仕事量があなたの限界を超えるようになったのだ。
いくら頑張っても仕事量に追いつかなくなってきた。でも、顧客はこれまでと同じように、最高の仕事をしてくれるものだと期待している。あなたはもう限界だ!
天才的大道芸人のように、鮮やかなボールさばきを見せていたあなたも、いよいよボールを落とし始める。顧客が増えすぎたために、どれだけ頑張ってもすべてのボールを受け止めることはできなくなってしまったのである。
これは避けられないことだった。こうなってしまうと、顧客のために働こうという気持ちは薄れてくる。以前はすぐに配達していたのに、今では遅れるようになった。そして不良品も混じるようになった。何もかもが最初のようにはうまくいかなくなる。
(中略)
こうして、あなたは上司から逃げるために起業したのに、今度は事業そのものが上司としてあなたを管理しているという皮肉な状況に陥ってしまう。上司から逃げることはできないのだ!
経営者が、今までのやり方では事業が続けられないと気づいたときに、幼年期は終わりを迎える。
生き残るためには、変化しなければならない。この変化に直面したとき、ほとんどの事業は倒産に追い込まれることになる。そして、生き残った者だけが青年期を迎えるのである。
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(「はじめの一歩を踏み出そう」マイケル・E・ガーバー著 世界文化社)
いやーーー、何度読んでも身につまされます。。
僕もそうなんですが、セールスコピーライターを目指す人って、職人タイプの人が多いんじゃないでしょうか?
そして、売れるセールスレターさえ作れればやっていけると思っちゃうんですね。
でも、残念ながら、現実はそうはいきません。もちろん、職人の人格だけである程度まではいけるかもしれませんが、どこかで限界が訪れます。そしてその時、マネジャーに、そして起業家に変化していく必要があります。
これを読んでいるあなたが今、どの段階にいるのかはわかりません。でも、もしあなたがセールスコピーライターを目指すのであれば、遅かれ早かれこの物語と同じような状況に陥る可能性は高いでしょう。
そうならないためには、はじめからそのことを想定して計画を立てておく必要があります。もちろん、その通りにはならないかもしれませんが、少なくとも燃え尽きて廃業することは免れるはずです。
それでは、また。
昌子 幹