from 成澤将士
「書いても書いても自信がありません。この仕事向いてないんですかね?」
以前、こんな相談を受けたことがある。
僕は決まって「自信がないのは良いことですよ」と言うことにしている。
例えばこれがクライアント候補との商談で、自分の態度で契約が決まってしまうような局面だとしたら話は別だけど、ことライティングに関しては、自信がない人の方が確実に伸び率が高いんだよね。
なぜか?
それは、「自分の現状を客観視できてるから」じゃないかと思う。
だいたい自信がない時って、誰かや何かと比較して自分の方が劣ってると感じてる場合がほとんどじゃない?
もしくは、期待に応えられそうにないとかね。
つまり、自分の足りない部分や現在地が分かっているがゆえに、目指しているものとのギャップに苦しむワケだよね。
逆に、自信のある人って、周りが見えてない場合が多い。
もちろん、しっかりとした根拠や経験に裏打ちされた自信なら素敵だと思うよ?
でも、言いたいのはそういう立派なタイプの人のことじゃない。
自分の立ち位置が分かってないがゆえに出せる自信、俗に言う「根拠のない自信」ってやつしか持っていない人の話。
この手の人は、客観視ができてないから、自分の立ち位置やレベルに関して査定が甘く、異常に自己評価が高い傾向にある。
自信満々でむっちゃ酷いレターを出してくる人は、ほとんどがこの手の人だったりする。
そして残念ながら、そういう人は指摘されると、激高するか心が折れるかって感じなので、ほとんどが伸びずに終わってしまう。
中には負けん気とガッツがあって、そこから心機一転頑張るタイプもいるけど、まあなかなか希少だよね。
なので、自信がない人の方が客観視ができるし、向上心が高い人が多いので(人に迷惑かけたくないって気持ちかもしれないけど)、スタートで上手くいってなくても、努力の方向性さえ合っていれば着実に伸びていく。
それに経験上、自信がないって言う人の方が素直だったり、報連相がしっかりしていて、プロジェクトがスムーズに行く場合が多いんだよね。
そして、この「客観視」ができるかどうかは、実はレターの質にも直結する。
ちなみにこれは、自分と遠い(身近にいない)ペルソナに向かって書くときに、特にハッキリ差が出ちゃう。
客観視ができるから、現状のギャップや相手の求めてるものに気づきやすいし、相手に伝わるように上手く変換しながら書ける。
逆に、客観視ができないと、自分の価値観や思い込みをそのまま出力しちゃうから、自分とギャップのある人には全く刺さらなくなってしまう。
そんなワケで、いま自信がなくてもそれは逆に「伸びしろがある」ってことだと前向きに捉えてほしいなって思うんだよね。
そしてそのまま正しい努力を続けていけば、振り返った時には結構遠くまで来てたりするし。
まあそれに客観視がある以上、自分のレベルが上がれば上がった分だけ比較対象のレベルも上がるから、どこまで行っても凹んだり自信をなくすことはあるワケなんで、もう気にするだけ無駄なんだよね^^;
だから、自信がなくても何の問題もないから、自信がないことに自信を持ってほしいと、僕は思うよ(笑)