とある社長の時代錯誤(と思う)なボヤキ

from: 藤村 紀和

 

「今の若者には厳しく指導できない風潮があるから、困るんだ」

こう話した社長、年は来年51歳。

飲食店をメインに会社を経営しています。
働く女性(特にママ世代)をターゲットに、
ケーキとオムライスを売りにしているカフェです。
とある市内に3店舗展開していて、評判は上々。

 

 

しかし飲食店でよくある悩みなのでしょうか、
従業員の確保やシフトに頭を悩ませています。

大学生を中心にアルバイトやパートを募集するのですが、
なかなか定着しないようで、ボヤいた言葉が冒頭の一文です。

 

 

こう言った後、
「やりにくいんだけど、そうやって厳しく怒られずに育つ若者も可哀相だ。知らない間にチャンスを逃すことが増えるからさ」

 

そのときは今年三十路に突入する友人と会社訪問したのですが、

同行していたその彼は
「いや、本当にそうだと思います」
と同調していました。

 

 

 

この話を聞いてあなたはどう感じましたでしょうか??

 

僕はその子と逆で、違和感を感じました。

 

なぜなら自分は、なぜ怒るのか(いや、叱るが正しい)、
その背景や理由を丁寧に説明して貰えなかったり、
叱ってくる相手を信用できていなければ
「お前に言われたくないよ」とついなりがちだからです。

 

 

しかし三十路の彼は厳しい体育会系の世界でスポーツに邁進し、
めちゃくちゃ怖い諸先輩方から厳しく指導された経験がありました。

 

どんな心構えが必要なのか、何をすべきか。

そのときはいい気持ちにならなかったし
悔しい思いをしながら必死に努力して食い下がって、
結果得られたものが大きいという経験をしていたんです。

 

 

人って、経験したことが考え方や行動の源になるんですね。

 

だから、相手の経てきた経験や考え方を丁寧に聞き取って、
共感することができれば意思疎通ができそうじゃないですか。

 

三十路の友人は社長の意気に統合しました。
きっと同じ経験をしてきた共感があったんでしょう。

社長も友人のような人材なら、
採用後も定着したのかもしれませんね。

 

 

でも実際は人材を定着できてないですから、
厳しく指導してもついてくる人材を
引き付けられてないってことになります。

 

で、冒頭の一文。

「今の若者には厳しく指導できない風潮があるから、困るんだ」

 

自分の想いを貫きたいのなら、
厳しくても成長したい人を得られるように
戦略を練って手を打って行くべきでしょうし、

人材確保を優先するんだったら
相手に合わせた指導が必要だと思うわけです。
もちろん最低限守ってもらうことは指示しながら。

 

 

こうしてみると、
先日成澤も記事に書いていましたが、

⇒ 【食レポとライティングの共通点

「伝える」って難しいことだけど、
なぜ厳しく接するのか?が相手に伝わってないんじゃないかと思うんです。

 

相手だって馬鹿じゃないし、
自分のことを分かって欲しいんだし。

 

社長が自分のことを分かって欲しいんなら、
相手に対して上から目線にならず寄り添っていくことが
第一歩なんじゃないかと思うんですね。

 

そう考えると、やっぱりペルソナ設定って大事。
なぜなら、ターゲットに伝えたいことを届ける最適解であり、
絞るからこそやるべき物事も簡単になるんじゃないかと思います。

 

そしてその伝える内容も、
独り善がりな “for ME” 文章になっていないか要確認ですね。

 

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