テレビがCMへの入り方を変えてきた理由

from 成澤将士

あなたは普段テレビって見てる?

僕はあまり見ないんだけど、家で晩ご飯を食べる時だけは、必ずテレビをつけている。

晩ご飯の時間だから、やっているのはバラエティ番組やクイズ番組が多いんだけど、最近今までとちょっと違う現象が起きていることに気がついた。

 

それは何かと言うと、CMに入る直前の動き。

 

ほとんどのパターンが、「この後驚きの展開が!?」みたいな感じで、何が起きたのか答えをハッキリ見せないでCMに入るよね?

 

これは答えを知りたいと言う欲求を掻き立てて、CM中に視聴者を離脱させないためのテクニックを使っているからで、当たり前のようにどの局もやっている

 

ところが今年に入ってから、明らかに違うCM前の動きが見られるようになってきた。

 

それは何か?

 

何が違うかと言うと、CMに入る直前に「何が起きたか?」の答えをチラ見せしてからCMに入るようになってきた。

 

これで分かるのは、今までは「答えを知りたい」という欲求に訴えていたものが、最近は「答えの理由を知りたい」という欲求に訴えるように変わってきているということ。

 

この現象はYouTubeなんかでも顕著で、サムネイルでネタバレするようなものの方が視聴されやすかったりする。

 

今までは「ネタバレをするとそれ以上興味が引けないから離脱を促してしまう」という考えからネタバレは忌避されてきた。

 

しかし今は逆にネタバレをすることで、「どうしてそうなったのか?という答え合わせをする」ことを楽しむように変化してきている。

 

「最後の方まで犯人が分からないよくある刑事ドラマ」と、「序盤で犯人が誰か分かった状態で犯人を追い詰めていく過程を楽しむ古畑任三郎」の違いみたいな感じ。

 

最近のテレビは、単純な視聴率以外にもあらゆるものをデータにしている。

なのでおそらくだけど、答えをCM明けまで引っ張った状態とCM前に軽くネタバレをした状態では、離脱率が違ったんだろう。

それでCM 前の状態のトレンドが変わってきたんだと思う。

 

じゃあ、何でこのような変化が起こってきたのか?というところだけど、僕が思うに視聴者側の集中力の問題だと思う。

 

昨今のスマホの普及により欲しい情報がノータイムで手に入るようになった現代人は、集中力を維持する能力がどんどん落ちていて、数年前のとある調査では「人間の集中力は金魚より劣っている」という衝撃的なデータもあった。

 

つまりCM前に答えを明かさない状態でCMに入ってしまうと、答えを待ちきれなかったり、そこで集中力が切れてチャンネルを変えたりスマホに移ってしまったりと、離脱するケースが多いんだと思う。

 

それと比べて事前に軽くでも答えを知っていれば、なぜそうなったのか?という「答え合わせ」的な新たなお楽しみ要素が増えることで、離脱を防いでいるんじゃないかと。

 

言ってみれば「未知のドキドキより、既知のワクワク」が支持される状態だろう。

 

この傾向は「欲しい情報がすぐ手に入り」かつ「好みの情報を選択的に選ぶ」、若い世代の方がより顕著に出ているし、全世代的にもそういった方向になりつつあると思う。

 

なので、答えを終盤まで明かさないような「秘密」で読み手の注意力を引き続けタイプのセールスレターは、今までよりも使う相手や状況を選ぶ必要があるんじゃないかと最近感じている。

 

 

なぜか僕らの境界では、テレビを見ない人や毛嫌いしている人が多い。

 

まあ確かに偏向報道とか酷い部分もあるし、情報の精度で言ったらどうなんだ?って部分もあるよね。

 

でも、テレビほど多くのお金をかけて多くのデータを収集して視聴者に合わせてアジャストしてるものが他にないのも事実。

 

であれば、そういった統計の結果生まれた今回のような「小さな変化」を気にしながら、消費者側の変化にアンテナを立てていくことも、マーケティングに関わる人間として大事なことなんじゃないかなぁって、思ったりもするんだよね。

 

この「小さな変化」、あなたはどう思う?