From:昌子 幹
コピーライティングを教える仕事を
長くやっていて気づいたことがあります。
それは、コピーライティングを学ぶ人には
40代、50代の人が割と多いということです。
で、その年代の人から
たまにこういった質問を受けます。
「今からでもコピーライターになれますか?」
その質問に対する僕の答えはこうです。
「なれるかどうかはわかりませんが、
少なくとも年齢は関係ないです」
かくいう僕も、
コピーを学び始めたのは
38歳くらいの頃。
決して若くはありませんでしたし、
ある講座に参加した時には
講師も参加者もみんな僕より年下でした。
20代とかの人も結構いたりして
正直「こんな年齢から始めて大丈夫なんかな?」
という不安や恥ずかしさは拭えませんでした。
ただ、それでもやろうと思ったのには
理由があります。
それは、もうやりたいことを諦めて
後悔したくなかったからです。
思えば、僕は後悔の多い
学生時代を送ってきました。
例えば、部活、、、
僕が通っていた中学校は
全生徒が何らかの部活に
入らなければならなかったのですが、
田舎の学校なので
そもそも部活の数が少ない。
体育会系だと、
野球、バスケ、剣道、柔道。
文化系だと、
ブラスバンドか美術。
たったこれだけのレパートリーの中から
どれかを選ばなければならないなんて
拷問に等しいのですが、
その中から僕が選んだのが柔道。
でも、実は柔道に興味などなく
本当に入りたかったのは
ブラスバンド部でした。
じゃ、なんで柔道なんだ?
という話なんですが、
僕には二人の兄がいて
二人とも野球部だったのです。
だからというわけではないのですが、
何となく「運動部にあらずんば部活にあらず」
みたいな雰囲気が周囲にありました。
かといって、野球部という
選択肢は僕にはありません。
なぜなら、2番目の兄は
僕の二つ上なので、兄弟で
同じ部活はちょっと抵抗がある。
しかも、「本当に兄弟なの!?」と
しょっちゅう周りに言われるほど
兄はイケメンの上にスポーツ万能。
「これお兄さんに渡してください!」と
兄宛のラブレターを何度受け取ったことか、、、
(ちなみに、僕宛のものは一度も
もらったことがありませんw)
そんなことはどうでもいいんですが、
これ以上比べられてはたまらないと
野球部の選択肢は速攻でなくなりました。
そもそも、丸いものを制御する才能が
僕には皆無なので、バスケ部もなし。
結局、「友達が入るから」という
安易な理由で柔道部に入部したのですが、
そんな理由で入った部活が楽しいわけもなく
大した結果も残せず中学時代が終わりました。
そして、高校、、、
柔道はもう懲り懲りだったので
他の部活を探したのですが、
その時にふと思い出しました。
「そうだ。俺はもともと
ブラバンに入りたかったんだ」
ただ、今思い返すと
不思議でしかないんですが、
「今から始めるのは遅すぎるんじゃ、、、」
という疑問が湧いてきたのです。
そこで、中学からブラスバンド部に
入っている友達に
高校からでも入部する生徒がいるか
聞いてみたところ
「そんなやつおらんわ」
の一言で撃沈。
結果、またも友達が入るからという理由だけで
物理部というほぼ帰宅部に入部。
やがて部活よりもバイトに精を出すこととなり、
青春とは無縁の高校時代を過ごしました。
受験もまた然り、、、
もともと僕は大学に行く気などさらさらなく、
公務員になるか専門学校に行こうと思ってました。
なので、2年生になる時に
進学クラスは選ばなかったのですが
あることがきっかけで
大学を目指すことに。
ですが、ここでも、
「今から頑張っても遅すぎるんじゃ、、、」
「進学クラスじゃないと無理なんじゃ、、、」
という臆病風に吹かれ
行きたい大学ではなく
行けそうな大学を選ぶことに、、、
といった具合に、僕の学生時代というのは
常に自分ではなく他人や世間の価値基準で判断し
自分の本当にやりたかったことに気づいた時でさえ
「時、既に遅し」と諦めてきたのです。
なんというバカさ加減、、、
要は、やりたいことができなかったことを
他人や環境のせいにしたかっただけなのです。
頑張って失敗した時のことを考えると
恥ずかしくてできなかっただけなのです。
話が長くなってしまいましたが、
そんな後悔もあって僕は
年齢を理由にコピーライターになることを
諦めたくはなかったのです。
だから、あなたも頑張ってください
とは言いません。
なぜなら、頑張ったからといって
コピーライターになれるとは
限らないからです。
でも、頑張らないと
なれないのも事実です。
それは、別にコピーライターに
限った話ではありません。
重要なのは、
自分の魂が本当に燃えるものは何か?
その気持ちに正直になること。
そして、年齢を理由に頑張るのを
諦めないことだと個人的には思います。
何かを始めるのに
遅すぎるなんてことはありません。
もしあなたが精一杯頑張って
それでもできなかったとしても
その経験はどこかで必ず生きてきます。
後悔のない人生を。
それでは、また。
昌子 幹