僕が悪魔に魂を売った時の話

From:成澤将士

 

僕がセールスライターとして起業したとき、
理念というか、心に誓ったことがある。
 
それは、
「良いサービスや商品と、それを求めている
人を繋いで、関わる人みんなを笑顔にする」
そのためだけにコピーを書く、というもの。

 

僕は実家が農家だし、前職は料理人。
だからガッツリ職人気質。

なので、最初は「宣伝」なんて悪だと、
商品力のない人間がやる情けない
姑息な行為だと思っていた。

でも、僕は今の仕事と出会って、
この考え方は変わった。

「宣伝」には、まがい物を駆逐して
本物を作る人の助けになる。

 

そして、まがい物を手にして泣きを見る
そんな消費者を救う行為なんだと
「宣伝」はなんて素敵な行為なんだと
そう思うようになった。

だからこそ、お金の為じゃなくて
本物の為にセールスコピーを書くんだ。 
そう心に誓って起業した。

 

でも起業当時は全く仕事が取れなくて、
この理念に背く行為もした。

お世辞にも良い商品と言えない、
そして「儲かればいい」としか思っていない
クライアントのコピーも書いた。 

えてしてそういうクライアントは
報酬が良い場合が多い。

そんなクライアントと契約を結んだ後は
「俺今日、悪魔に魂売ってきた」
そうカミさんに言いながら、
自分の心に懺悔した。 

 

でも、こういう場合は上手く行かない。 

自分の心の中で背信行為だと
分かってやっているので、
どう頑張っても筆が乗らない。

 

だから反応なんか出ない。

そしてお金しか見ていない
クライアントは、結果が出なければ
手のひらを返して豹変する。 

 

その結果、理不尽で暴力的な人格否定の
非難を浴びせられたこともあるし、
返金を迫られたこともあった。

当時はマジでお金がなくて、
先払いで受け取った報酬はすでに
家賃や支払いに消えていて、
返金の金策に頭を抱えたこともあった。 

 

その結果たどり着いた答え。

「悪魔に魂を売ってもロクな事はない」

 

起業しようとする人はある意味
「社会不適合者」だと思う。 

社会の理不尽を呑み込めず、
大衆に迎合することもできず、
そして自分の正しさを証明するために、
望む人生を手に入れるために、
リスクを取り人生をかけて起業する。

 

そこまでするなんて、
まあ普通じゃないよね。

もしかしたら僕だけかもしれないけど。

これって言い換えるなら
「死んだように生きられるか」
っていう信念だと思うんだよね。

人が自分の言動を見ているように、
自分も自分の言動を見ている。

 

だからこそ、
自分の限りあるエネルギーは、
情熱の発露の行先は、
決して自分を裏切っちゃいけない。

じゃないと、重要な局面で
力を発揮できなくなる。

 

「武士は食わねど高楊枝」
っていう諺がある。

その意味は、
たとえ貧しい境遇にあっても、
貧しさを表に出さず気位を高く
持って生きるべきだということ。

僕は、これはある一つの到達点だと思う。
先人達はやっぱり凄い。