やっぱり一流はすごい

from 成澤将士

僕はビリヤードが好きなんだけど、それはある人との出会いがきっかけだった。

それは今から20年くらい前、僕が板前修行をしていた頃のこと。

 

僕が働いていたお店の常連さんで、30代半ばのビリヤード場のオーナーの男性がいた。

彼は親方のお友達で、いつもニコニコ楽しくお酒を飲むとても人当たりの良い優しい人。

当時見習いで何も出来なかった下っ端の僕にも丁寧に接してくれる素敵な人だった。

 

「教えてあげるからいつでもおいで」という彼の優しい言葉にに誘われるまま、僕は休日にたびたび彼のお店に行ってビリヤードを楽しんだ。

お店が落ち着いている時は彼と一緒にゲームをする事もあったんだけど、やっぱりオーナーなだけあって、素人目に見てもビリヤードはむっちゃ上手い。そして教え方も優しくて上手。

僕はハマりにハマってマイキューを作るくらいにビリヤードが好きになったし、色々思い出深い出会いだった。

 

ある日、仕込みをしながら親方に、彼のお店で一緒にビリヤードをした話をしたとき「お前は幸せ者だな。あの人が誰だか分かってて遊んでもらったのか?」と言われた。

「え?○○さんて、ビリヤードがめちゃめちゃ上手いオーナーさんじゃないんですか?」

「馬鹿野郎、○○さんはビリヤードの日本チャンピオンだぞ!」

「えーーーーーーー!!!」

 

なんと彼は、数年前のビリヤード全日本大会の覇者。

つまり日本で一番ビリヤードが上手い人だったのだ。

それを聞いて、なんて人とゲームしたりタダで教わったりしてたんだって恐縮しちゃったし、だからお客さんもやたら上手い人多かったり彼とやりたがる人が多かったのね。って妙に納得した。

 

それから数日後に彼がお店に来た時に、「知らぬとはいえ失礼があったらすみませんでした」と頭を下げたら、「知ってたら遊んでくれなかったでしょ?だからバレるまでは黙ってたの。これからも遊びに来てね」と、茶目っ気たっぷりの笑顔で言ってくれて、僕は感激しちゃったんだよね。

 

んで、その話の流れで僕が「でも日本一なんて凄いですね」って言った時、彼が答えた一言が予想外で印象的で今でもハッキリ憶えている。

 

「全然凄くないよ。だってあの時は僕が日本で一番練習してただろうし、僕が一番上手いって自信があったからね」と。

 

誰よりも練習をしたと言い切れるだけの積み重ねと、それによって培われた裏打ちのある自信。

それを気負うことも偉ぶることもなく、当たり前のことだと思える精神。

本当の一流とはこういうものなのかと、衝撃を受けた出来事だった。

 

 

ライターとして稼ぎたいなら、「まずはとにかく書きまくって経験値を貯めるべきだ」って僕はことあるごとに言うんだけど、それはもしかしたらこの出来事が根底にあるのかもしれない。

 

「チャンスは貯金できない」

これはアサヒビール元社長の樋口氏の言葉で、僕の座右の銘。

 

チャンスが訪れた時に、それを逃さずモノにできるのか、それとも挑むことすらできないまま終わるのか、その分かれ道は「事前準備がすべて」と言っても過言ではないだろう。

そして、そのワンチャンスが「自分の人生を変えるターニングポイント」になることだってある。

 

だから、仕事が欲しいなら、稼ぎ続けるライターになりたいのなら、そのためにちょっとずつでも刃を研ぐことを怠らず、練習を重ねて力をつけていくのが一番の近道だと思うんだよね。

 

なんて偉そうなことを言いながら、最近忙しすぎてそういう時間が取れてないんで、僕もそいう時間を作らねばと反省中^^;

サボるな自分!(笑)

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