一粒万倍

From:成澤将士

 

先週末に宮城の実家に帰った。
それでほんの少しだけど、実家の家業の
手伝いもしてきた。

 

僕の実家は、米農家をやっている。
自然栽培という農法で、農薬も科学肥料も
有機肥料も一切使わないという農法。

 

実家の米はそこそこ有名らしいく、
プロ野球のある監督さんも実家の米を
食べているらしい。

 

確かに味は凄く美味いと思う。
僕は上京してきて初日に食べた
カレーの米の不味さに衝撃を受け、
いかに自分が美味い米を食べていたか
思い知った過去がある。 

 

この自然農法、自然という言葉のせいか、
「自然のままに育てる」つまり「放置」栽培
という風に勘違いしている人が凄く多い。 

 

でもそうじゃなくて、
「作物が自然に育とうとする力を引き出す」
という考え方が正解のようだ。 

 

親父いわく、
「作物を育てる行為自体が自然じゃない」
ということなので、自然に任せては
決してうまく行かないらしい。

 

例えば、雑草が生えていれば、
限りある土の栄養分を雑草に取られてしまい、
作物は大きく育たなかったり、
収量が下がったりしてしまう。

 

実際に、雑草がボーボーに生えたままの
田んぼと、しっかりと除草をしている
田んぼでは、収量が2倍も違うそうだ。

 

ということで、微力ながら草取りを
手伝ったのだが、これがまあキツイ。 

 

田んぼの泥の中を足を取られながら
練り歩き、目視で雑草を見つけて、
腰をかがめて1本づつ根を切らないように
慎重に抜いていく。

 

根が残るとまた生えてきてしまうので、
手抜きは許されない。

 

ほんの数時間やっただけで、
中腰が続いて太ももはパンパン
腰は痛くて伸ばせない
泥に足を取られてヒネった膝も痛い。 

 

一緒に手伝ってくれた
(僕に連れていかれた)
ウチの嫁さんも副社長も
ヘロヘロになりながら頑張ってくれた。 

 

ちなみに実家の作付面積は
サッカーコート約20面分。

 

これを全て人力で除草するなんて・・・
想像しただけでゾッとする。

 

でももっとゾッとしたのが、
雑草の恐ろしさ。

 

ある雑草は、たった1本から
なんと1万粒以上の種を落とすらしい。

 

そしてそれが全部生えてきたら・・・
それまで頑張って育ててきた稲は
一瞬で駆逐されてしまうだろう。

 

それを思うと、どれだけ身体が痛くても
やらないわけにはいかない。
 

ここで手を抜くと、文字通り1万倍に
なって返ってくる。
倍返しなんて可愛いもんだ。

 

どの仕事もそうだけど、
全部が大事な要素だとしても、
「ここが踏ん張りどころ」っていう
重要な局面があると思う。 

 

そこでいかに逃げないか、
いかに踏ん張れるかで、
その先が決まってしまう事がある。

 

重要な局面でいい仕事ができるように、
体力的に、技術的に、精神的に、
常日頃から準備を怠ってはいけない。

 

そして準備を怠ると、
全身筋肉痛でマトモに動けない
今の僕のように情けない事になってしまう。

 

だから準備が大事なんだよ、準備が。
と、自戒を込めて言ってみる。