ベネフィットを伝えると仕事が決まる

from 成澤将士

これは何年か前の話なんだけど、とある地方の整体院から、集客に関する相談があった。

相談内容は、「もっと新規客を集めたいのでLPを作って欲しい」とのこと。

 

それで実際に整体院に訪れて、色々話を聞くことにした。

 

ちなみにその整体院はショッピングモールの一角にあり、そこまで集客が大変そうには見えなかった。

従業員は相談をくれた経営者とその奥さん、そして社員が1名とパート2名の計5名。

そして話を聞いてみたら、新規客は毎月30名ほどいるという。

この業界と店舗の規模で毎月30名の新規客は相当凄い数字。

 

しかも完全予約制で、新規以外にもリピート客の予約もそこそこ入っている。

そして経営状況も決して悪くないようだ。

 

ここまで把握して、もう結構上手く行ってるし、LPなんか要らないんじゃないかと思った。

じゃあ、なんでLPが欲しいと思ったんだろう?

 

そこで僕は「売り上げを増やしたら何をしたいですか?」

と聞いてみた。

 

すると少し考えてご主人が「従業員を増やしたいです」と言った。

そして経営者夫婦はこれまでいきさつを話してくれた。

 

ご夫婦は都内でそこそこ有名な整体院で修行をしている時に知り合い、結婚を期に自分たちの城を持つべく独立したとのこと。

いまの整体院はその時の師に紹介された場所で、ショッピングモールに出店できるのは良い話だと思って決めたらしい。

ちなみにその地はご夫婦には縁もゆかりもない地域。

それから3年、ご夫婦は日々頑張ってきたそうだ。

そして努力の甲斐があり、整体院は軌道に乗って上手く行っている。

 

しかし、一つだけ問題があった。

 

ショッピングモールの規約で整体院は年中無休で、オープンしてからの3年間、人員的な問題でご夫婦が一緒に丸々一日休んだ事がないらしい。

 

「せっかく港町に越してきたのに、まだ夫婦で魚の美味しいお店に行った事がないんです」

旦那さんがそう言うと、うなずきながら奥さんが、

「私もそろそろ子供が欲しいんですけど、このままだと難しくて、、、」

と目を伏せる。

 

そう、このご夫婦は、売り上げを上げたいんじゃなくて、2人の時間と安らぎが欲しかったのだ。

2人で幸せになりたくて始めた仕事が2人の望む幸せの邪魔している。2人の辛そうな顔は、そんなジレンマに苦しんでいるように僕には映った。

 

だから僕は、
「分かりました。では半年後の目標を、ご夫婦2人で日帰りでも良いので温泉旅行に行く事にしましょう。僕はそのための仕組み作りのお手伝いをします。お2人の努力はそろそろ報われるべきです」
と伝えた。

 

すると奥さんが、「色んな人に相談しましたが、初めてそんな事を言ってもらえました」
と言いながら、目から大粒の涙がポロポロと溢れてきた。

そして目を潤ませたご主人が、「決めました。ぜひ宜しくお願いします」と頭を下げてくれて、一緒に頑張る事になった。

 

ちなみに僕はここに至るまで、具体的に何をやるかも金額がいくらかも一切話していない。

にも関わらず、仕事が決まった。

その後、ご夫婦と何をやったかは伏せるけど、ご夫婦とお子さんが笑顔で写っている年賀状が届くたびに、あの時それを伝えて良かったって思うし、こういうのは本当に嬉しいなって思える。

 

 

このやり取りで、あなたにも少しはベネフィットの威力を感じてもらえたんじゃないかな。

「売り上げを上げます」はベネフィットじゃない。

上がった売り上げで「何をしたいのか?」がベネフィットなんだよね。

 

僕はこの出来事で、ベネフィットはライティングだけじゃなくて仕事を取るのにも凄く役立つって事を自覚したし、それからはより意識するようになった。

そしてそれを意識するようになってから、相談からの成約率もめっちゃ上がった。

 

だから僕らライターが高めるスキルは、まずは何よりもベネフィットをしっかり伝えられるようになる事だと思うんだよね。

ベネフィットがしっかり描けるようになれば、仕事も取りやすくなるし、ライティングスキルも確実にアップするのは間違いない。

 

誰に、何を、どう伝えるか?

この「どう伝えるか?」がベネフィットの真理だし、僕らの腕の見せ所。

 

ベネフィットは「セールスライターの花形」なんて言われることもあるけど、それくらい個性や実力差が出る部分だから、しっかりとスキルを磨いていきたいよね。

 

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