from: 藤村紀和
どうやら「仕事の取り方」というのは
千年経っても大差ないんじゃないか?
そう感じたことがありまして。
そう思ったのも、
先日地元美術館の企画展示へ行き、
仏像の数々を観て感じたことです。
この催し、遠州・三河の寺宝の数々が展示されてました。
平安時代の仏像がそのまま残ってるんですよ。
国の重要文化財指定されている仏像もあり、
表情豊かな仏さまが数多く展示されてました。
そして面白いことに
こうした地方の仏像が、
京都にある国宝クラスの仏像と、
同じ造形を持っているんです。
彫刻手法もデザインや表情など、
細部に至り同じなんですね。
これは「定朝式」という流派で、
定朝という仏師の作風が全国的に流行した結果だそうです。
当時は貴族が大きな仕事の依頼者なので、
依頼が来て気に入られれば仕事に困りません。
どうやって仕事を得たんだろう?と
予測していくと、今と根本は同じなんじゃないですかね?
これはセールスライターにも通じるのではないか?
そう思って書いてみました。
まず結果から言えば、いつの時代も
・世相に沿う
・クライアントの期待を超える
これだと思うんですね。
平安時代にも世相があって、
当時は仏教の思想で
お釈迦様没後2千年経った後に
乱世になるという思想があり、
(それが平安時代の西暦1052年にあたる)
仏さまを敬い死後は極楽浄土に
生まれ変わりたいという信仰がありました。
浄土信仰ってやつです。
そしてその象徴が、仏像なんですね。
だから仏像を彫れる人は貴重な存在です。
ただ彫れるだけではダメで、
当時の日本を動かしていた層、
貴族の好みに合わせられる腕が必要です。
当時は「ひらがな」に象徴されるように、
柔和で穏やかで且つ気品のあるものが好まれました。
「
あーこれから大変な世になるのかー。。
救われたいなぁ。
」
という世相に合わせて、
「
この仏さまなら救ってくれそうだ!
」
と納得できる仏像を提供できれば、
当時貴族は全国各地に支配地を持つので
リピートが来るわけです。
彫刻師の技術も上がっていきながら
お抱えの売れっ子彫刻師になります。
クライアントと世の中のニーズを掴んで
仕事を得て名と作品を残していきました。
そしてそこから口コミで別の貴族からも依頼が来る。
技術があっても依頼主の要望に応えられてこそ、仕事を継続的に得ていく第一歩です。
こういう部分は今も昔も同じことだと思います。
依頼主だったり見込み客のニーズを掴むことと、
世の中の流れに沿うこと。
なので技術を身につけるのは勿論ながら、
「こんなことできます」
「こういうの作れます」
という部分を、
「あなたはこうなりますよ、なぜなら…」
に変換したり、伝えていく術も同時に磨かなければな…と思う次第です。
これって、セールスライティングでいう
ベネフィットの部分です。
むしろこちらが先にあって、
技術を使っていける場を掴んでいける、ではないでしょうか。