From:昌子 幹
あれだけ「ステイホーム」を声高に叫び、
飲食店に営業中止を強いながら、
平気でオリンピックを開催する
東京都と日本政府、、、
あれだけコロナの恐怖を煽り、
オリンピック開催に反対していたくせに、
オリンピックが始まるや否や
平気でテレビ中継をして
視聴率を稼ごうとするマスコミ、、、
「もはや、日本もここまでか…」
と目を覆いたくなるほど
無節操、無責任、厚顔無恥な振る舞いの
オンパレードですが、、、
(オリンピックそのものを
否定しているわけではありません)
コロナが本当に脅威かどうかはさておき、
コピーライティングの観点からすると、
この一連の無責任な行動は
ある法則に完全に反していることになります。
それが
「一貫性の原理」
と呼ばれるものです。
一貫性の原理とは、
「自分が既にしたことと一貫していたい」
という人間の欲求に基づいたもので、
ロバート・チャルディー二は
名著『影響力の武器』の中で
こう言っています。
「一度何らかの決定を下したり、立場を取ると、
そのコミットメントと一貫した行動を取るように、
個人的にも対人的にも圧力がかかる」
「個人的にも対人的にも」
というのが重要なポイントです。
というのも、
一般的にマーケティングや
コピーライティングで言われる
「一貫性のトリガー」は、
自分自身に対する圧力を
利用したものがほとんどです。
マクドナルドなどで、
ハンバーガーの注文の後に
ポテトやドリンクをおすすめすると
買ってもらいやすくなるのは、
「一貫していたい」という顧客の
自分個人への圧力を
利用しているからでしょう。
一方で、対人的な圧力は、
「相手にも一貫した決断や
立場を貫いて欲しい」
という欲求に基づくものです。
(と僕は理解しています)
で、ここで重要なのは、
どれだけそれまでに信頼関係を築いていようと、
(というか信頼関係が強ければ強いほど)
この欲求が裏切られた時の失望感は
半端ないということです。
例えば、
「テレビには出ない」と言っていた
大好きなアーティストが
バラエティ番組に出たりすると
一気に心が冷めますよね?
ところが、
国民が納得できる理由を説明することなく
これを平然とやってのけたのが
今回の政府やマスコミです。
これは、言い換えれば
「国民や視聴者にどう思われようと関係ない」
「私たちはあなたたちと信頼関係を
築くつもりなどサラサラありません」
と宣言しているようなものです。
こんなことを続けていれば
政府の言うことも
マスコミの言うことも
もう誰も信用しなくなるでしょう。
「もともと信用してないよ」
という声もあるかもしれませんが、
よくよく考えればこれ
かなり恐ろしいことです。
これがビジネスであれば
一瞬で「ジ・エンド」です。
お伝えした通り、
とかくビジネスにおいては
個人的な一貫性のトリガーばかりが
注目されますが
実際には、
対人的な一貫性のトリガーの方が
はるかに重要です。
なぜなら、
ビジネスにおける最大の資産は
お客さんとの信頼関係だからです。
信頼関係のないビジネスなど
成り立つはずがありません。
だからこそ、
自分の信念に基づいて
一貫性ある言動や行動を心がけ、
それでも自分が間違っていたと思い
方向転換する時には
その理由をきちんと説明したり
素直に謝る勇気を
持たなければならない、、、
と今回の件を通じて
改めて思った次第です。
それでは、また。
昌子 幹