2人のコピーライター

From:昌子 幹

昨年の末くらいでしょうか、ある2人のコピーライターと少し仕事をしました。

というのも、僕が納期に追われまくったり、諸々のことで疲弊していることを心配したパートナーの一人が、少しでも僕の負担を減らそうと、自分のところに売り込みにきたコピーライターを紹介してくれたのです。(その気持ち、本当に嬉しく思います(涙))

過去のレターを見る限り、2人ともスキルはありそうだったので、とりあえず見学がてら、あるクライアントのヒアリングに参加してもらうことにしました。

それぞれ別の案件でしたが、ヒアリングするクライアントは僕たちとは長い付き合いのある同じクライアントです。

あれから数ヶ月、、、

一方のライターには仕事を依頼し続けていますが、もう一方のライターには仕事を依頼するのは諦めました。

なぜか?

それはスキルの差でも経験の差でもありません。もちろん、センスがあるとかないとかは関係ありません。

じゃあ、何がこの違いを生んだのか?

それは、ヒアリング時の「姿勢」です。

そのクライアントのヒアリングは、ある理由からいつも長時間になります。3時間、4時間は当たり前。最長で5時間を超えたこともあります^^;

正直に言って、長時間ただ話を聞いているだけってまあまあ辛いとは思うんです。

案の定、1人目ののライターは、途中から明らかにつまらなそうな顔で聞いていました。クライアントの話にも全く無反応で、途中で突然席を立っていなくなったりしてました。

それを横目で見ながら、

「げ、まずいな。。」

と、ちょっと心配になりました。

いくら見学とはいえ、クライアントに不快感を与えるんじゃないかと思ったのです。

結局、終始そんな感じでヒアリングが終了したのですが、正直に言って僕はその時点で「こいつ、ないな」と思い始めていました。

まあ、向こうもそう思っていたかもしれませんけどね。。

案の定、その後、パートナーが連絡を取ろうとしても全く音沙汰なし。「あの人はなかったことにしましょう」ということになりました。

一方、2人目のコピーライターは全く違いました。僕たちの話にもうなずいたり、軽く相槌を打ったりと真剣に話を聴き、「自分ならどうするか?」と考えているのがよくわかるのです。

その後、連絡を取った時のリアクションも早く、そのライターに仕事をお願いするようになったのは自然の流れです。

それからしばらくして、その時のクライアントと別件で話すことがあり、そのついでに2人目のライターに手伝ってもらうことになった旨を伝えたところ、こう言われました。

「あの人ならヒアリング時の態度も良かったのでいいと思いますよ!1人目は態度悪かったですからね。。ただ、私がどうこう言う筋合いのことではないので、黙ってたんですが」

「あぁ、やっぱり見ている所は同じだな。。」

と思いました。

そういう細かいところを見ている経営者は、結構少なくないんです。

とかく、コピーライターというとスキルばかりが重視されがちですが、仕事を依頼する立場からすると、それだけで依頼するかどうかを決めるわけではないんですよね。

もちろん、スキルは重要です。でも、それ以上に重要なのが社会人としての礼儀や仕事に対する姿勢だと僕は思います。

だって、それができなければ安心して仕事を任せることも、クライアントや関係者との信頼関係を築くこともできませんからね。

ややもすると、成果至上主義、スキル至上主義になってしまいがちな世の中ですが、個人的にはすごく違和感を感じます。

コピーライターはスキルがあればいいというものでもありませんし、ましてや一人でする仕事でもありません。

「そんなこと当たり前だろう」と思われるかもしれませんが、意外と勘違いしている人が多いです。特に、社会人経験のないままライターやマーケターになった人は。(必ずしもそうではありませんよ。あくまで経験上の話です)

なので、自分で言うのは恐縮ですが、もし僕が一緒に働くコピーライターを選ぶなら、スキルレベルが同じ、いや多少そこに差があったとしても、社会人経験のない人よりある人の方を選びます。

(何度も言いますが、スキルがなくてもいいという意味では決してありませんし、どんな姿勢でどんな経験をしてきたかにもよります。)

それに、社会人経験があった方が、多くの場合、ペルソナの気持ちや立場がよく理解できると思うんですよね。

これを読んでいるあなたが何歳かはわかりませんが、もしあなたに豊富な社会人経験があって、その上でスキルを磨いたら、今からでも優れたコピーライターになれる可能性は十分にあると思います。

それでは、また。

昌子 幹

P.S. お気づきかもしれませんが、この記事はWall Street Journalのレターをスワイプしています。今回のように「姿勢が重要です」といったような、割と普通でつまらなくなりがちなメッセージを伝えるときに有効なのが、WSJのようなコントラスト・レターです。ついでに参考になれば幸いです。