from 成澤将士
「正直微妙です。期待していただけに残念です」
これは前に、クライアントに書き上げたセールスレターを見せた時に言われた言葉。
ちなみにこのレターは、リサーチも含めると約1ヶ月かかった結構な力作だった。
もしあなたが同じように言われたとしたら、あなたならどうする?
自分の力のなさを嘆く?
謝って書き直すチャンスを貰う?
関係が終わるかもとヘコむ?
もういいやと諦める?
それともコケにされたと怒る?
ちなみに僕は上記とは全く違うあるリアクションをした。
その結果、この酷評されたレターは1つも書き直すことなく即納品となり、おかげさまで結果も上々だった。
じゃあ僕は一体何をしたのか?
それは、「説明」
セールスレターを書くにあたって、どういうリサーチをしたか?
リサーチの結果、どういったターゲットに絞ったのか?
そのターゲットには、どういう訴求が有効だと考えたのか?
その狙いをレターに反映させるためにどういうコンセプトにしたのか?
レターのどこに気を配り、どういう意図でこういう表現や見せ方をしているのか?
これら全てをクライアントに説明しただけ。
え、そんなことなの?って思うかもしれないけど、実はこういうケースは結構あったりする。
なぜかっていうと、クライアントはセールスライターじゃないから、レターの良し悪しなんて分からないことの方が圧倒的に多いんだよね。
だから、これまでの自分の経験や感性で判断した反応をするのは仕方ない事だったりする。
でも、それで上手く行かなかったから僕らに依頼しているわけで、その間違った判断に合わせて言われるがままに修正したりすると、まあほとんどが失敗する。
そしてその失敗の責任は僕らが負うことになるので、次のチャンスはやってこない。
これって理不尽だし怖いことだと思わない?
なので、こうした説明は絶対必要。
それに、ちゃんと全ての筋が通った説明をすれば相手も納得するし、こちらがどれだけ考えて手間暇かけて作ったか分かってもらえるから、逆に感謝されたりもするしね。
こうしたディスカッションをして、すり合わせをしたり意見を取り入れたりはアリだけど、言われるがままはプロとしてはやっちゃいけないよね。
そして、僕らの仕事を深く知らないものの「文章でモノを売る仕事」ってことだけを分かっている状態だと、「何か凄い文章」を書いているんだと思いこんでいる場合がある。
実際僕はあるクライアントに、「革新的でズキューンってくるレター期待してます!」って言われたことがある(笑)
まあその時は、そういうものではないって丁寧に説明して、ちゃんと理解してもらったけどね。
こうした「ズレ」は、相互理解が足りないとおきがちだから、例えば途中経過を細かく報告するとか、レターの提出時にはレターだけポンと出すんじゃなくて説明の機会も同時に設けるとか、そういった事をしていくのが良いと思う。
冒頭のクライアントも、僕は最初から説明をするつもりでいたけど、当日読むのに時間かかるだろうから先に目を通しておいてもらおうと前日に渡したら、当日開口一番そのリアクションだったので、まあその後予定通りの説明をしたって感じ。
あとこのケースと同じように、書いたレターの良し悪しを誰かに見てもらう時は、相手の言うことを鵜呑みにすると危険な場合が多いから要注意。
見せた相手がペルソナに合致する人であれば意見をしっかり貰うべきだけど、そうでない場合は見せた相手が「謎の辛口評論家」に変身して、的外れな批評をされることが多い。
なので、ペルソナ以外に見せる場合は「書いてある内容」についてではなく、「読みやすいか?」というポイントに絞って意見を貰った方が良い。
自覚していない書き方のクセとか、難しい用語や言葉はないかとか、日本語としての問題とか、そういったものをチェックしてもらうのがベターかな。
もしクライアントに見せる前にレターの良し悪しの判断をしたければ、やっぱり経験や実績のあるセールスライターに見てもらうのが一番確実だと思う。
ある程度の知識があれば、あとは「書いて、正しいフィードバックを貰って、書き直して」ってのを繰り返す方が、どれだけ高額な教材やセミナーに投資するよりも、間違いなく力が付くのは断言できるから。
ぼくら協会の理事たちも、そうやって技術を磨いてきたしね。
まあ自分の書いたレターを人に見せるのって、なんか裸を見せるみたいな恥ずかしさがあったりするけど、そこはスキルアップのためと割り切ってありのままを見せちゃおう^^;
大丈夫、そのうち慣れるから(笑)