from: 藤村紀和
先日見た記事がちょっと考えさせられました。
どこの記事だったかは忘れてしまったのですが
通販番組に関する内容でした。
ある男性のインタビューのなかで、男性は老母から
「これとってもイイから、一台送るわ」、
クリーナーや回転モップに特殊素材の雑巾、
マットレスやシーツに掛け布団、枕などなど
似たようなジャンルの製品を送られてくるだそうです。
「通販番組は巧みに視聴者の心理につけ込み、無駄に消費させる」
というものでした。
読み進めていき、何を考えさせられたかというと
・書き方ひとつで記事の印象操作ができること
・セールスコピーの技術は天使にも悪魔にもなる
・自分の母親も行動がこの老母に近いかも
でした。
ウチの母親は、商品くれませんけどね笑
記事はその後も
「通販番組の誘導と仕掛けられた罠」
と、その手口や解説を載せています。
ライティングの基本的な技法だったり
心理的効果が載っているだけなんですが、
これにツッコミを入れて悪印象に仕立てているんですね。
例えば、
「一日たった○○円」というフレーミング効果を使った手法があります。
このように言われて買うのは、
「買う理由が”必要だから”ではなく”安いから”にすり替えている」といいます。
そのほかにも、
おまけが付いてお得だから買うのは
本来不要なモノも買わされていると主張したり、
有名人が使っているからといって、
それは商品の品質とは何の関係もないと主張したり。
でもそもそも購入意思を持たない人には、
そう言っても購入しませんよね。
実際TVのインフォマーシャルは広告予算も膨大ですし、
インターネット上で多く粗悪品が出回るのとは異なり、
通販の商品は品質チェックも厳重で、粗悪品を掴まされることはまずありません。
主張は自由なのですが、
事実の一部分を切り取り一方的な視点で書く記事が多いように思います。
今回の話で言うならば。
男性の主張は「買わされている」ということですが
買う側は必要だから購入しているとか、
買うことで満たされているものがあるんですよね。
あなたも通販やそのほかの方法で商品を購入したことがあると思います。
その商品を買ったときの動機がどうだったか、
そして購入した時の嬉しさや、
使ってみて買う前と心境の変化がどうだったか、
色んな感情の流れがあると思うんです。
世の中や人の役に立ちたいと日々努力する人が持つ商品を、必要とする人に100%伝えきること。
私たち書き手にとって大事なのは、
商品やそこに至る想いや事実を全てまな板の上に載せたうえで、
読み手の五感に伝わるように文章で表わして
問題解決のお手伝いをすることではないかと思う次第です。
こうしたライティングの初心を改めて考えさせられました。
書き方ひとつでネガティブにもポジティブにもなる技術、
大事に思える相手のために使いたいですね。
追伸)
*ここまで行ったら、もう消費者を騙してますよ。。