ヤバい広告を見ちゃいました

from 成澤将士

僕らの職業病の1つに、「良い広告を見るとつい興奮してしまう」というちょっとアホみたいなものがある。

「こういう切り口があったのか」とか「この表現は秀逸だなあ」なんてマーケティング目線でつい分析したり、「いい仕事」を見ると自分が携わってなくても何だかテンションが上がっちゃうんだよね(笑)

 

そしてつい先日なんだけど、過去最大級に興奮するヤバい広告に出会った。

それは、アップルウォッチのCM。

まずはこのCMを見てほしい。

 

このCMを見終わったとき、「やっぱapple凄いわ」ってまあまあの大きさの声が思わず出てしまったし、たった30秒のCMなのに、見終わった後は思いがけず良い映画に出会ったくらいの満足感があった(笑)

 

このCM、作りはとてもシンプルなんだけど、人の心を動かす仕掛けが何重にも張り巡らされていて、このCMを企画した人たちは本当に優秀な集団なんだろうなあ、マジで良い仕事してんなあ、って感動しちゃったんだよね。

 

んで、このCMの何がそこまで興奮するものなのか、あなたにも僕の興奮する気持ちを少しは分かってほしいから、今日は僕なりにこのCMを分析してみようと思う。

 

1、事実である

僕らも信頼性を高めるためにお客さんの声を使ったりするけど、このCMは実際に通報された音声を流している。

事実は証拠として何よりも強いし、サクラかどうかも分からない誰かが喋るよりも、実際の通報音声という偽証のしようがないものをチョイスしたのが素晴らしい。

 

2、シンプル

このCMは森が背景に映っていて、音声と字幕が流れるだけと至ってシンプル。

しかもBGMと通報の音声も相まって、不穏な雰囲気で注意を引いて、そのまま自然と文字を読ませてしまうアピール方法。

シンプルであればあるほど、視聴者側は受け取りやすいし没頭しやすいし、記憶に残りやすい。

スタートが電話のコール音というのもフックとして素晴らしいし、最後まで商品の写真すら出ていないのは、恐らく最後に売込みっぽくして全体の雰囲気を損ないわないための工夫だと思う。

 

3、ストーリー

30秒という短い時間で、しっかりストーリー仕立てになっていることも見逃せない。

不穏な雰囲気から始まり、緊急事態でただ事とではないと思わせて、そこから事故に遭った事実、そしてアップルウォッチが救助を呼んだこと。

しっかり起承転結が成立してるんだよね。

人はストーリーが大好物。

そういった点で、この構成は素晴らしいと思う。

 

4、意外な機能

僕がアップルウォッチを持っていないからってのもあるけど、アップルウォッチに今回のCMで使われたような機能があることは知らなかった。

なんとなく、「通知や着信が分かったり、カード代わりになったり、フィットネスに使えたりするくらいのちょっと便利なアイテム」って程度の認識。

恐らく、僕のようにアップルウォッチを持っていない人の認識は、程度の差があれ似たようなものだと思う。

そういった意味で、「こんな意外な機能があるんですよ」というアピールとして良いネタだと思うし、「競合との違い」もしっかりアピールできているよね。

 

5、本能・感情に訴える

人がモノを買うときは必ず「感情」が動く。

人より勝りたいとか、モテたいとか、褒められたいとか、守りたいとか、恥をかきたくないとか、何かしらの感情が働いて、それを解消したり叶えるために商品を買う。

そんな中で人が感じる感情で最も強いもの、それは「生命の危機」。これは生存本能だよね。

ちなみにこれ以上に強いものは怨念レベルの復讐心以外はない。

このCMはまさに「生命の危機を救った話」であり、これ以上にインパクトのあるエピソードはそうないだろう。

「アップルウォッチがあれば命が助かるかもしれない」それだけで持っている価値を感じさせるよね。

 

6、人によって変わるベネフィット

「命が危機な時はアップルウォッチが通報して場所まで教えてくれる」というこの機能は、CMでは自転車で転倒した人の話だったけど、それ以外にもいろんなシーンが思い浮かぶよね。

例えばソロキャンプをする人、登山をする人、釣りをする人、ランニングや車通勤で人気(ひとけ)のない場所を走る人などなど、つまり「一人で人目のつかない場所に行く人」はみんな「自分もアップルウォッチをしていれば、万が一の時に助かるかも」って思うだろう。

さらに、もしかしたら在宅で一人で仕事をしている人も使えるかもしれないし、一人暮らしの年老いた親に持たせることを考える人や、子供に持たせることを考える人もいるだろう。

そんな感じで、「万が一のシチュエーション」は人それぞれ。

そしてそれぞれのシチュエーションごとに想像力を掻き立ててベネフィットを感じさせることができるのは、TVCMという幅広い層に訴える上で非常に効果的だよね。

 

 

こんな感じで、狙いが明確で色んな要素がたった30秒間に詰め込まれてしっかり形になっている、本当に素晴らしいCMだと僕は感じた。

僕はこのCMでアップルウォッチは新規客を相当捕まえるんじゃないかと思ったし、僕もその新規客になるかもしれない。

 

いや~、良い広告を見ると不思議とモチベーションが上がっちゃうね(笑)

 

どう?少しはこの興奮を分かってもらえたかな?

 

このCM、あなたはどう思ったかな?

良かったらコメント欄であなたの感想を聞かせてね。

 

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2 件のコメント

  • 知らないを知る商品、記憶に残る商品は、表現方法によってこんなにも差が出るんだと衝撃的でした。商品を出さないで商品を売るには、そこに揺るがないストーリーがあるからですね。

  • Apple Watch の動画、観ました。転倒して意識不明の人の救助を、位置情報も添えて、緊急連絡しているCMですが、普段私達が遭遇するかもしれない事故等に、身に着けているApple Watchが救ってくれるかもしれない事を教えてくれる点で、Apple Watchの新しい機能を知るきっかけになる、良いCMですね。私も61歳の一人暮らしなので、こんな機能のあるApple Watchが欲しいと心動かされました。

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