詳しい人ほどつい陥ってしまいがちな、伝わらない説明の仕方

From:吉田知也

ぼく、お酒が好きで、
日本酒の酒蔵を見学しにいったり
地酒を買って楽しんだりしています。
先日の宮古島を訪問した際には
泡盛の酒蔵も見学しにいきました。

そんなぼくですが、
実は今、日本酒に関する講座に
月1で出席しています。

座学の講座もあるのですが、
そのあとの懇親会ではひたすら
受講生や講師が持ち込んだ
珍しい日本酒を飲みまくるという
ある意味夢のような講座です。

 

この講座で、
このような課題が
出ました。

「日本酒を自分の言葉で
 語れるようになるために
 A4用紙1枚程度で
 魅力を文章化してください」

 
という、
まさにぼくの本職である
「言葉で伝える」
ジャンルの話です。

 

この課題が出た時、
思ったことがあります。

 

そのジャンルに詳しい人って
つい数字やスペックで
語ってしまいがちです。
 

ぼくはこの講座に
ほぼ道楽で出ているので
大した知識はないのですが、

他の受講者の皆さんは
とても詳しい人が多く、
日本酒について何か聞くと
とても熱く語ってくれます。

ただその時に、
そんなに知識のない素人目線として
少し気になってしまうことがあります。

 

たとえば、
「この日本酒は
 精米分合が20%なんです!」と
いきなり力説されても、
一般の人にはピンと
きづらいですよね。

そのスペックだけを伝えられても、

「それが、なぜすごいのか」
「そうすることで何が起こるのか」
「どのぐらい珍しいことなのか」

みたいなことが伝わらないと
ただの知識自慢になっちゃいます。

 

ちなみに精米分合(せいまいぶあい)は
日本酒の仕込みに使う米を
どれぐらい削るかを指します。

米は中心部に行くほど
余計な成分のない純粋な糖になるので、
あらかじめ外側を削った米を使うことで
雑味のないすっきりとした酒になります。
また香りもフルーティになります。 

上の精米分合20%は、
「20%だけ残す」という意味で
8割、つまりほとんどを削ってしまいます。
もう、ごくわずかな中心部しか残りません。
さらに米は割れやすいので、
精米度合いを上げれば上げるほど
すっごい大変な作業になります。

ですが、ここまで手間をかけることで
米本来の旨みだけを残した
おいしい酒が出来上がるのです。

 

別に日本酒のプレゼンを
したかったわけではないのですが、
なんか、こう聞くとおいしそうでしょ?

 

そのジャンルに詳しい人ほど
つい一般の人に伝わりづらい
専門的な説明をしてしまうことがあります。

その人の中では
当たり前になってしまっていることが、
周りの人にとってはぜんぜん
当たり前ではなかったりします。

特に、
自分の詳しいジャンルについて
ライティングを行う時には、
無意識にこういうことに
陥ってしまいがちです。

自分の専門知識を
他人に伝えるときは
あまり数字やスペックに
偏りすぎないようにしましょう。
ぼくも気をつけます(笑)

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