from: 藤村紀和
何か物事を始めるときは、
最初に動き出すときが最も大事だと思います。
なぜなら、スタートダッシュを効かせられれば
その後もその勢いが推進力となり、進みやすくなるからです。
行動をしないと先に進めませんものね。
プロ野球のペナントレースは良い例です。
ロケットスタートが出来た球団は、
その後の戦いを有利に進めやすくなって
優勝の確率も高まります。
また、会議も分かりやすい例ではないでしょうか。
何か決断を表明しなければいけない、
意見を表明しなければならないときには
最初に勇ましく口火を切った人のもっともらしい意見が、
その後場を支配することは多いです。
「勝ち馬に乗る」というやつですね。
実際歴史上の出来事を見てみると、
思惑通りに物事を進めるには最初にどうするかを大事にしています。
例えばあなたもご存知であろう、関ケ原の戦い。
勝利の第一歩はこんなところから既に始まっていました。
豊臣秀吉亡き後、豊臣政権の筆頭大名だった徳川家康は
豊臣の名の下で他の大名を蹴落としにかかります。
加賀百万石の前田家を屈服させ、さぁ次は上杉だ。
豊臣の筆頭として、上杉をけしかけていきます。
ところがそのタイミングで、石田三成が豊臣家を奉じて
徳川を潰すために挙兵します。
「豊臣を私物化する家康を討つ!!」
家康の予想をはるか上に行く、
兵力は10万人以上を集め、総大将は五大老の毛利輝元。
各大名はどうするべきか悩むわけです。
しかも自分のお家の存続にかかわるような、
迂闊に他の大名には相談できない重要な案件です。
「大坂に居る妻子を人質に取られてしまったら…」
「秀吉さまの跡継ぎである秀頼様が御出馬されたら…」
片や家康も石田三成が挙兵することは予想できたものの、
今率いてきた諸大名を囲っておかなければなりません。
しかも、諸大名が自らの意志で自分に味方するように。
そこで軍議を催し、勝負に出ます。
家康はその場で、
「私は石田方と戦うことに決めたが、皆はそれぞれに事情があろう。私に味方するか石田方に付くかは各々で決めればよい。もし石田方に味方するのであれば直ちに国許に戻り支度してくだされ。邪魔立てはしませぬ」
と発言するつもりでいました。
そしてこの難局を確実にモノにするため、
会議のスタートが何よりも肝心だと思っていました。
なぜなら、ここでもし誰かが
「亡き秀吉様、ひいては豊臣家に楯突くことはできませぬ。従って徳川殿に御味方はできぬ」
となれば、たちまち窮地に陥るわけです。
この難局を秀吉の軍師だった黒田官兵衛の息子であり、
今家康のために忠義を尽くす黒田長政を根回し役に使い、
慎重に根回しを行って、ある大名に第一声を託します。
それが、秀吉の従弟であり、
猛将かつ子飼いナンバーワン
福島正則です。
彼は三成が大嫌いでした。
そこをうまく利用しました。
そして会議当日、
「わしは徳川殿に御味方いたす。三成の挙兵は秀頼公と関係なく豊臣を私物化するための自身の企て、妻子を人質に取られようが、三成を討つのみだ!!」
豊臣家に最も近い彼がそう言うのです。
「豊臣家に楯突くことになるのでは…」と
答えに窮していた各大名の不安を払拭し、
大勢は決まりました。
このように流れを作っていくための初動というのは、本当に大事です。
だからこそ慎重かつ繊細に、準備が大事になるわけですね。
会議を例に挙げてみましたが、
これがもし私たちの仕事で考えてみると、どうでしょう??
例えば、初めて会うクライアント候補との交渉は、
このケースがぴったりじゃないでしょうか?
事前に相手の事をリサーチしておいて、
商品や会社のことを持ち上げたり話したりすれば、好印象から始まりますからね。
そうすれば余計な緊張もなくスムーズに会話が出来そうですし、その後の展開も進めやすくなるのではないでしょうか。
ライティングで考えるなら、
大事な初めの一歩は記事のタイトルやヘッドラインだったり、ファーストビューですよね。
こうして話すにしろ書くにしろ、
この最初の掴みが、その後の流れを決めます。
相手や読み手が喜ぶような、
色んな引き出しを持っていれば安心ですしね。
引き出しが無ければ、頑張って作りましょう。
始め良ければ終りよし、終わり良ければ総て良し。
結局のところ、始め良ければ総て良しという事ではないでしょうか?
追伸)
ヘッドラインやタイトルであれば、
何十個も書き出してみたり、とにかく大量に案出しして慎重に作ることが必要になって来ます。
↓興味を引き付けるヘッドライン、作りたい方はこちらもどうぞ
→ 【○○に勝るヘッドラインなし】