From;昌子 幹
先日、ある新商品のLPを作って欲しいということで
新規のクライアントさんと打ち合わせをしました。
で、いろいろヒアリングしていったのですが、
はっきり言って最初は違和感しかありませんでした。
なぜなら、その分野は確かに
市場としては大きいかもしれないのですが、
それだけに既に数多くの競合がいるのです。
しかも、クライアントの商品は
特にそれらと違いがあるわけでもなく、
実績もほとんどありませんでした。
要は新規参入なのですが、
「これは売れないだろうな」
と率直にそう思いました。
新規参入だからではありません。
そのクライアントが持つ
独自のメソッドや強みみたいなものが
まったく見えてこなかったからです。
そこで、そもそも、なんで
この商品を売ろうと思ったのか?
ということを聞き出していったのですが、
するとおもしろいことがわかりました。
そのクライアントはもともと
ある業界に特化して売上アップや社員教育の
コンサルティングをしていたのですが、
コロナによって業界そのものが
大打撃を受けたらしんですね。
そこで、新しい市場に
進出しようとなったらしいんですが、
今までの業界では結構な実績を出していて
コロナ禍にもかかわらず過去最高売上を
叩き出しているお客さんさえいる、と。
「え!?マジですか?
なんで、そんなことが可能だったんですか?」
さらに踏み込んで質問していくと案の定
ちょっと変わったやり方をしていたんですね。
それが、その人の独自のメソッドであり
強みでもありました。
「コロナ禍だからこそ、その商品を売った方がよくないですか?
この新商品では○○さんの強みは生かされないと思います」
と伝えたところ、クライアントも納得し、
結局新商品の話は流れて
従来のビジネスをより拡大する方向で
やり直すことになりました。
初めての打ち合わせをしていく中で
当初、クライアントがやりたかったことと
まったく違う方向にいくということは
決してめずらしいことではありません。
なぜなら、どんなに経験豊富な人でも、
というか経験豊富であればあるほど
自分の強みとかわからなくなりやすいんですね。
で、つい隣の芝生が青く見えて
新規事業とかに走ってしまう。
そして、大抵そこは青いどころか
真っ赤なレッドオーシャンである
場合がほとんどです。
でも、それはクライアントが
悪いわけではありません。
誰だって自分のことって案外
一番わからなかったりしますからね。
僕たちセールスコピーライターが
存在する意義はそこにあると思います。
単にセールスレターを書くことが
ライターの仕事ではありません。
誰にどんな価値を提供したら喜んでもらえるのか?
どんな強みを活かせば他と比較されずに済むか?
それをどんな形で提供したら売れそうか?
そういった戦略的なことも
客観的にアドバイスするからこそ
クライアントに価値を感じてもらえるし
結果としてレターの反応もよくなるはずです。
ぜひ、心に留めておいてください。
それでは、また。
昌子 幹