アイデアのつくり方

From: 昌子 幹

「アイデアとは既存の要素の
新しい組み合わせ以外の何物でもない」

そう言ったのは
ジェームス・ウェブ・ヤングです。

彼の著書「アイデアのつくり方」を
はじめて読んだ時、
目からウロコが落ちると同時に、
すごく安心したのを覚えています。

言うまでもなく、
僕たちコピーライターにとって
アイデアはめちゃめちゃ重要です。

アイデアひとつで
商品の売れ行きは
大きく変わってきます。

ところが、
そうそういいアイデアなんて
出てくるものじゃないですよね。

なぜでしょうか?

その最大の理由は、
アイデアとはそもそも何なのか
ということが曖昧だから
ではないでしょうか?

アイデアが何かがわからないから
感覚やひらめきに頼ったり
天に祈ったりするしかなくなるのです。

逆に言えば、アイデアが
何なのかがわかれば、
それを生み出すのは
グンと楽になるはずです。

そして、アイデアを
たった一言で明確に定義したのが
「既存の要素の新しい組み合わせ」
という言葉です。

確かに、どんなに斬新に見える大ヒット商品でも
まったくのオリジナルというものは存在しません。

ほとんどは既に存在しているものを
新たに組み合わせただけに過ぎません。

鉛筆と消しゴム、
カレーとトンカツ、
iPodと電話とインターネット、

などなど、数え上げれば
キリがありません。

そう考えると、アイデアを出すのって
意外と簡単だと思いませんか?

もちろん、ただ単に組み合わせればいい
というものではありません。

それが、見込客にとって
より大きなベネフィットを
提供することはもちろん、

「意外性のある組み合わせ」
でもなければなりません。

そして、お気付きの通り、
これは優れたヘッドラインの
条件でもあります。

世界トップライターの一人
ジョン・カールトンは
人を惹きつけるヘッドラインの
アイデアを作る天才と言われていますが、

彼は優れたアイデアを作る最大のコツを
「人の心をつかむ要素の不調和な組み合わせ」
と言っています。

例えば、彼の作った有名なヘッドラインに
「片足のゴルファーが発見した
一晩で飛距離を50ヤード伸ばす方法」
というものがありますが、

これも「片足のゴルファー」と
「飛距離を伸ばす」という
通常ではあり得ない組み合わせで
大きなベネフィットを約束しています。

カールトンだけではありません。
他にも、、、

「怠け者がリッチになる方法」
「痛みで足を引きずっている男が、毎朝2キロ走っている」
「医者が気分を悪くした時、するのがこれです」

などなど、大ヒット広告のヘッドラインには
不調和な組み合わせが使われているものが
たくさんあります。

そう言えば、
「アイデアのつくり方」の本の帯には
「60分で読めるけど、一生あなたを離さない本」
とありますが、これだってそうです。

もっと言うなら、ヘッドライン以外にも
USP、ポジショニング、
キャンペーンや商品コンセプトなど、

マーケティングやコピーライティングにおける
様々な場面でこの「不調和な組み合わせ」は
大活躍します。

この仕事をしていると、
売る商品が一見平凡すぎて
頭を悩ますことが少なくありません。

先日もそんな依頼があったのですが、
ヒアリングしていった結果、
ある2つの特徴があることがわかりました。

それぞれは取り立てて
ユニークなものではありませんでしたが、
その2つを組み合わせて
提供しているライバルは他におらず、

しかも、組み合わせることで、
まったく違ったベネフィットを
提供できることがわかったのです。

結果として、商品自体が
ユニークで魅力的なものに
生まれ変わりました。

「人の心をつかむ要素の不調和な組み合わせ」

アイデアに困った時は、ぜひ、
この言葉を思い出してください。

それでは、また。

 

昌子 幹

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