from: 藤村 紀和
セールスライティングで使うマーケティング手法に
『フロントエンド』と『バックエンド』
という考え方があるじゃないですか。
フロントエンド商品とは、「集客商品」「お試し商品」、
バックエンド商品は「本命商品」「利益商品」という位置づけです。
購入しやすい集客商品を一度買ってもらったり、
商品を手軽に試してもらった後に、
利益の大きい本命商品を紹介し買ってもらう、
というマーケティング手法です。
今日はこんなフロントエンドとバックエンドがあるよ、
という事例の話です。
北海道に本拠地を置くプロ野球チームの親会社に
日本(ニッポン)ハムがあります。
この会社はハムを売っている会社なんですが、
実際のところハムやソーセージの売上が
全体の何パーセントを占めるかご存知ですか?
そりゃハムの会社だから、
7~8割くらいあるんじゃないの?
と思うかもしれないですね。
でも実は違って、そんなに無いんですよ。
答えはなんと、
10.3%
冷凍食品のような加工食品を含めても
29.0%
え?じゃあ残りは何なの??
というと、実は売上げの大部分が食肉卸なんです。
日本ハムが手掛けたブランドに、
桜姫、大麦牛、三元豚
なんてのがあります。
各御家庭ではハムやソーセージよりも
普通の精肉を買う方が機会が多いですよね。
ハムやソーセージを取り扱うことで
スーパーマーケットと取引しやすくして、
そして繋がりのできたスーパーに対して更に、
食肉を卸すよう持って行くんですね。
ハム屋・ソーセージ屋を名乗っているのに
メインは食肉、という風に上手に売っているんですよ。
相手に受け取りやすい商品を持って、
その後ろにある本体を売り込んでいくかたち。
これって個人でもやってる人がいて、
知合いのマジシャンなんかがそれです。
当然ですがマジックを披露するマジックショーをやっています。
ただマジックショーが売り上げの大部分を担っているわけではなくて、
実は企業向けに、
「従業員の潜在意識を変えパフォーマンスを上げる」
という教育支援が売上げの半数以上を占めています。
マジックは表の看板で、その裏にある
・マジックの裏打ちされた技術
・マジックが成立するタネや心理術
を売りにしています。
マジックを練習し続け人前で披露してきた過程で、
いろんな知識や技術・手に入れたノウハウを提供するということで説得力を持たせているんですね。
マジックを見ると大概の人は、
「え?すごい!!」
「全然見破れな~い」
「これどうやってやってるの??」
「自分もできたら凄いよなぁ」
って感想持ちませんか?
その後に
「このタネ、あなたに提供しましょうか?」
と提案すれば、相手からも好感触に違いないですよね。
このマジシャンもニッポンハムも、
認知度が高く手に取りやすい入口を用意して
今まで培ってきたスキルやコアとなる商品を売っていっています。
心理学コンサルを売りたいけれど
(こっちの方が単価も高いし)
まず楽しくてウケるマジック観覧を売る。
だって受け入れて貰いやすいから。
心理学サポートより競合と差別化もしやすいし。
当然お客さんにウケるので、
そこですかさず本命商品を売る。
フロントエンドとバックエンドって
お試し商品からのハイグレード商品というイメージが強いんですが、
こうした関連付けで話を持って行くのも
フロントエンドとバックエンドを売る秘訣ですね。