【考察】返金保証が流行っている理由

from 成澤将士

セールスレターの成否を左右する最重要要素が「オファー」だということは、きっとあなたも知っていると思う。

オファーが弱ければ、どれだけライティングのテクニックを駆使したとしても、商品は売れない。

 

世界一のセールスコピーライターと言われているゲイリーハルバートは 、

「弱いコピーを強いオファ一でカバーする事はできるが、弱いオファーを強いコピーでカ
バーする事はできない」という名言を残している。

 

だから僕ら結果にこだわるプロのライターは、商品の販売企画から携わり、オファーも一緒に考えたりすることが多い。

 

んで、数多くあるオファーの中でも、最近は「継続課金(サブスクリプション)」と「返金保証」のオファーが流行っているように思う。

 

今日話したいのは「返金保証」についてなんだけど、その前に今どんな業種業界で返金保証があるかを軽く調べてみたら、

・健康食品
・学習塾
・葬儀屋
・植毛
・タイヤ
・化粧品
・機械メンテナンス
・調理器具
・書籍
・情報商材
・生鮮食品
・飲食店
・士業
・集客代行
・パーソナルジム
・通信教育
・エステ、サロン
・治療院

などなど、軽く調べただけでもいっぱい出てきた。

 

一昔前は返金保証と言ったら限られた業界のみがやっている感じだったけど、今はもう驚くほどあらゆる商品やサービスで返金保証をつけていることに、疑いの余地はないようだ。

 

 

じゃあ、「何で最近こんなに返金保証が流行っているのか?」ってことなんだけど、これは僕なりの考察だけど、大きく分けて2つの理由があるように思うんだよね。

 

1、返金保証の効果の高さ

一般的には、返金保証をつけるとそれだけでコンバージョン(販売率)は10%~50%ほど上昇すると言われている。

そして返金保証を付けた場合の返金率は約5%(商品がちゃんとしたものの場合ね)と言われている。

 

返金保証してるんだから、返金がもっと増えてもいいようなもんだけど、これは心理学でいう「保有効果」というものが影響しているらしい。

「保有効果(Endowment effect)」とは、現在所有している物・環境の価値について、それを所有していないときよりも高く感じ、その物・環境を手放すことに強い抵抗を感じるというもの

 

つまり「新しいものを手にした時に得られるメリット」よりも「今持っているものを失うデメリット(現在の環境を失うデメリット)」を大きく感じるということ。

この心理的ブレーキが働くから、返金率はそこまで高くならない。

 

例えば「割引」も強力なオファーの1つだけど、今や当たり前すぎて多少の割引じゃ効果もあまりないし、割り引けば割り引くほど利益率が下がっていく。

それに、割引競争になったら、体力のある大手が勝つ。

 

その点、返金保証は価格はそのままで購入率が50%増える。そして返金率は5%とリスクも多くない。

そりゃ誰でもやるよね。

 

 

2、競合との差をつけにくくなった

今と昔の大きな違いはインターネット。もうほとんどの人がスマホを持っているし、ネットを使うことも当たり前になっているよね。

そして、この変化によって消費者の知識量がむちゃくちゃ増えた。

簡単に競合商品も調べて比較することもできるし、買う前に口コミを調べるのも当たり前。

 

そしてこの現象は「売り手側」も同じ。

商品開発やオファー決めで競合商品を調べてマネることも簡単にできるし、マーケットリサーチも簡単にできる。

そうして今、世の中には似たような商品やサービスが溢れかえり、競争はより苛酷になっている状態。

 

例えば何かを買おうとして色々調べたら、「価格も内容もほとんど同じで口コミも良い感じの商品がいくつも出てきちゃって、決めるのが逆に大変」なんて経験ないかな?

これはある意味「横一線」状態なワケで、この中でどれかを選ぶのって難しい。

 

そんな時、1つの商品だけが「返金保証」がついていたらどうだろう?

 

「返金保証するくらいだから、よっぽど商品に自信があるんだろうし、最悪ダメだったらお金返してもらえばいいからこれにしよう」

こんな感じで選んでもらえる可能性が高くなる。

 

こうした売り手側と買い手側、両方の思惑が合致していることが、今の返金保証ブームの背景にあるんじゃないかなあと思う。

 

これってつまり、「返金保証以外で差をつけづらい」状態までマーケットが成長してきているということの裏返しでもあるんじゃないかな。

 

 

そして今後、返金保証は確実にもっと増えていくだろう。

 

そしてどこも返金保証をやるようになり、また「横一線状態」になって、ますます売り手側は売るのが難しくなり、消費者側は選ぶのが大変になってくるかもしれない。

 

まあ、その時は別な方法があるんだけど、それはまたの機会に話そうと思う。

 

 

今日は返金保証について考えてみたけど、こんな感じで「売れているもの」にも、「売れていないもの」にも、必ず理由があるもの。

僕らマーケティングに関わるライターにとって、技術と知識はどちらも欠かせない重要なものだから、こうして普段からアンテナを張ったり理由を考えることも、立派なトレーニングになる。

ただこのトレーニングをやりすぎると「純粋に買い物が楽しめなくなる」っていう不治の病にかかるるけど、まあこれは職業病みたいなものだから、スッパリ諦めましょう(笑)

 

PS、
「あれってどうなの?」とか、「これはどう思う?」みたいな質問、大歓迎です。

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